四季送り げんみ❌
まーた悪夢!
あとひとりいるはず。
血塗れのリビングを歩いてたら、廊下で気配がした。
足音を立てずに、速やかに。人の気配を追って廊下に出たところで、足首を掴まれた。
女の人が、最後の力で。
とっくに殺したと思ってた。この家には人がたくさん居たから、即死するような傷を与えるほど時間かけれなかった反省点はある。それでも、致命傷は与えたはずだった。
迷わず包丁を振り上げる。その人には、恨み言を言う力も残ってないようだった。
違う。
必死に、何かを守る目だ。自分はどうなっても。時々、仕事中にこんな目をする人はいる。結果は変わらないのに。
……そう、変わらない。
仕事だから、仕方ない。
“この目に特別感じることなんてない”。仕事相手の都合なんて、知ったところで無意味だ。かえって刃を鈍らせるだけかもしれない。
ほら、だから。
特に感情を抱くこともなく、包丁を急所目掛けて突き立てる。もう、苦しまなくて良いように。それだけに専念する。
『さっきの気配は、きっとこの人だったに違いない』。そう、覆い隠しながら。
目が覚める。
吐き気がする。
頭の中の喧しさは、いつもに増して。
でも、感じない。僕は何も感じない。
仕事したことにだけは、何も、誰であろうと、感じては駄目だから。命は等価だ。そうでなければ、僕は。
記憶だったかもしれない夢を、咀嚼不良のまま無理矢理呑み込む。割れそうな頭を薬で黙らせれば、日常を開始できる。
それがいつの、誰の、どんな仕事だったのかなんて、答え合わせすることも無い。特別な仕事に昇華させることなく、僕は今日の衣服に袖を通した。
◆
勝手に見た夢だし、記憶は歪むもの。谷崎家以外にも一家惨殺はあったからね。でも、もしかしたら。
実在したかどうかも未確定な、もう取り返しのつかない悪夢を見た話でした。
才能はあっても適性の有無は別なのだよ。それでも殺し屋の才能があるのは、やり遂げた上で生きてしまえるところで(n回目)。
実に皮肉で、実に人間らしいと思います。畳む
#四季送り #SS
まーた悪夢!
あとひとりいるはず。
血塗れのリビングを歩いてたら、廊下で気配がした。
足音を立てずに、速やかに。人の気配を追って廊下に出たところで、足首を掴まれた。
女の人が、最後の力で。
とっくに殺したと思ってた。この家には人がたくさん居たから、即死するような傷を与えるほど時間かけれなかった反省点はある。それでも、致命傷は与えたはずだった。
迷わず包丁を振り上げる。その人には、恨み言を言う力も残ってないようだった。
違う。
必死に、何かを守る目だ。自分はどうなっても。時々、仕事中にこんな目をする人はいる。結果は変わらないのに。
……そう、変わらない。
仕事だから、仕方ない。
“この目に特別感じることなんてない”。仕事相手の都合なんて、知ったところで無意味だ。かえって刃を鈍らせるだけかもしれない。
ほら、だから。
特に感情を抱くこともなく、包丁を急所目掛けて突き立てる。もう、苦しまなくて良いように。それだけに専念する。
『さっきの気配は、きっとこの人だったに違いない』。そう、覆い隠しながら。
目が覚める。
吐き気がする。
頭の中の喧しさは、いつもに増して。
でも、感じない。僕は何も感じない。
仕事したことにだけは、何も、誰であろうと、感じては駄目だから。命は等価だ。そうでなければ、僕は。
記憶だったかもしれない夢を、咀嚼不良のまま無理矢理呑み込む。割れそうな頭を薬で黙らせれば、日常を開始できる。
それがいつの、誰の、どんな仕事だったのかなんて、答え合わせすることも無い。特別な仕事に昇華させることなく、僕は今日の衣服に袖を通した。
◆
勝手に見た夢だし、記憶は歪むもの。谷崎家以外にも一家惨殺はあったからね。でも、もしかしたら。
実在したかどうかも未確定な、もう取り返しのつかない悪夢を見た話でした。
才能はあっても適性の有無は別なのだよ。それでも殺し屋の才能があるのは、やり遂げた上で生きてしまえるところで(n回目)。
実に皮肉で、実に人間らしいと思います。畳む
#四季送り #SS
そういや最近、レモングラスとホーリーバジル育て始めました。
収穫はまだしてないけど、どこまで育つかな。気温30度超えたら元気に成長すると聞いているのでね、そのときは遠慮なくハーブティーにしますよ。
来週にはアロマティカスをお迎えします。こちら、めっちゃくちゃ可愛い多肉ハーブでふわふわの生毛がたまらんのです。香りも良い。虫除けになるそうです。ゴキブリとか。自室と仮宿で育てよう。
毎晩抱き枕と寝てるんですけど、お布団に巻き込むようにして背中にフィットされたときの安心感に目覚めてしまいました。背中から抱っこされてる!
その後正面から抱っこするけど、このひととき、大事にしたいな……(∩´͈ ᐜ `͈∩)˖*♬೨̣̥
#日常
収穫はまだしてないけど、どこまで育つかな。気温30度超えたら元気に成長すると聞いているのでね、そのときは遠慮なくハーブティーにしますよ。
来週にはアロマティカスをお迎えします。こちら、めっちゃくちゃ可愛い多肉ハーブでふわふわの生毛がたまらんのです。香りも良い。虫除けになるそうです。ゴキブリとか。自室と仮宿で育てよう。
毎晩抱き枕と寝てるんですけど、お布団に巻き込むようにして背中にフィットされたときの安心感に目覚めてしまいました。背中から抱っこされてる!
その後正面から抱っこするけど、このひととき、大事にしたいな……(∩´͈ ᐜ `͈∩)˖*♬೨̣̥
#日常
四季送り 雲をこの目に写すまで げんみ❌
勢いで纏めてるから細々としたの忘れてるかも。
雲平KPCがしんどいの、KPCにとっては2000年間の地獄と絶望を経て、それでも狂うわけにはいかず、壊れ続けながらPCを探して、ようやく存在消滅と言う悲願に至れる……と勘違いしたままハッピーエンドを迎えることです。生まれ変わりだと信じる花たちに、心の中でごめんなさいをしながら。
PC誰かによるけど、チトセくんじゃないならチトセくんを守り切れなかったときに約束通り右手の小指を切り落としてユキちゃんに渡すか供えるかします。だから、KPCに小指が無い率高い。
“あび”の誰かが捕まって処置されそうになったら、そうなる前に殺します。ちゃんと死期を送れるうちに、会いたい人たちに迎え入れてもらえるうちに。
祝さんには自分が不老になったことを明かしても、PCを正しい時間に返したら存在消滅することは隠し通すと思います。騙してでも。そのことは最後の最後まで苦しむし、時折息を殺しながら泣いてる事項になる。
「祝の願い、叶えられなくてごめんなさい。嘘ついてごめんなさい。何も出来なくて、ごめんなさい」
仲間たちの子孫とかも守ろうとするけど守れない。守ろうとして守れなくて、死を奪われそうになったら自分が死を与えて。
だから、仲間の一部からも忌まれることはあるはず。それでも決めたことだから一貫するし、そこに賛同できる人と行動してたのかも。
誰がPCでも、“あび”の誰かが不自然に狂い腐りゆく世界の人柱にされ貶められるのは許せない。どんなに憎まれたって、自分なら生きてしまえると分かってる。最後に待ち受けるのが存在消滅だとしても、“存在自体が過ち”である自分であれば妥当で都合が良い、代償ですらなく報酬じゃないか。世界の仕組みの部品として使い潰されるのもお似合いだ。……と本人は解釈するかなって。
ただ、人間としては保たない。少なくとも祝さん、錦玉さん、一月くんを喪ったら一気に崩れそうになるので、転生は人間だけじゃない、他の生き物にだってなるかも、って教えてもらってさ。
それがその場しのぎの出まかせでも、雲平には最後の糸になる。
以降、白い花を育てて、どの花か分からないけど、どれかにきっと、誰かが転生してるはず、って。
自分の仲間の転生ってことは、自分が仕事した相手も一緒に来ててたくさんいるだろうから、自分を憎み許さず呪う人たちが大半だって自覚もある。それでも良い。当然なことで、わかりきってることだから。それより、仲間が転生して一緒にいたい人たちと一緒の方が良い。もしかしたら、義兄ちゃんや閻魔たちもいるかもしれない。
なので、雲写のKPCの隠し部屋は一部花畑になってるアレンジ入れることになるかな。天井が崩れた半屋外スペースを花畑にして、一人分のスペースだけ空いててさ。さながら猫のように転がって、子どものように花に囲まれて「皆居る」を縋るように信じてる。
PCにも案内するし、皆に報告するし、僅かな時間でも一緒に過ごしたがる。最後の移動では、花を摘んで首輪か冠に編んで、一緒に2000年前に送り出す。実際には、花はこっちに取り残されるのかもしれないけどね。それはそれで、やっと願いが叶う雲平を見送るのかもしれないし、叱っているかもしれないし、何にせよ、彼らの生前にこうなることを隠し続けてたことは雲平も改めてごめんなさいって口にするだろうな。特に祝さんには。
やっと消えられる。正しく戻る。その先で世界がどうなるかはわからない。少なくとも、こんな世界よりかはマシになる。マシな上で滅ぶかどうか。見届ける責任は、前提からして無理だけど、やっぱり見届けたかったな。
……消えられる。やっと、誰にも憎まれずに、誰のことも憎まずに済む。生きるのなんて、存在するだけで痛いだけ。なのに、何でかな。泣きたくて、叫びたくて、会いたくて、触れたくて、
帰りたい。帰りたいよ。帰るとこずっと無いのに、無くしたのに、無くなったのに。おかしい。分かってる。だけど、喉を裂くようにして込み上げるかたまりが何なのか、僕にも分からないの。
お母さん不許可
お父さん不許可
お兄ちゃん
いたいよ
◾️◾️◾️◾️畳む
こんなの絶対回せない。
#四季送り
勢いで纏めてるから細々としたの忘れてるかも。
雲平KPCがしんどいの、KPCにとっては2000年間の地獄と絶望を経て、それでも狂うわけにはいかず、壊れ続けながらPCを探して、ようやく存在消滅と言う悲願に至れる……と勘違いしたままハッピーエンドを迎えることです。生まれ変わりだと信じる花たちに、心の中でごめんなさいをしながら。
PC誰かによるけど、チトセくんじゃないならチトセくんを守り切れなかったときに約束通り右手の小指を切り落としてユキちゃんに渡すか供えるかします。だから、KPCに小指が無い率高い。
“あび”の誰かが捕まって処置されそうになったら、そうなる前に殺します。ちゃんと死期を送れるうちに、会いたい人たちに迎え入れてもらえるうちに。
祝さんには自分が不老になったことを明かしても、PCを正しい時間に返したら存在消滅することは隠し通すと思います。騙してでも。そのことは最後の最後まで苦しむし、時折息を殺しながら泣いてる事項になる。
「祝の願い、叶えられなくてごめんなさい。嘘ついてごめんなさい。何も出来なくて、ごめんなさい」
仲間たちの子孫とかも守ろうとするけど守れない。守ろうとして守れなくて、死を奪われそうになったら自分が死を与えて。
だから、仲間の一部からも忌まれることはあるはず。それでも決めたことだから一貫するし、そこに賛同できる人と行動してたのかも。
誰がPCでも、“あび”の誰かが不自然に狂い腐りゆく世界の人柱にされ貶められるのは許せない。どんなに憎まれたって、自分なら生きてしまえると分かってる。最後に待ち受けるのが存在消滅だとしても、“存在自体が過ち”である自分であれば妥当で都合が良い、代償ですらなく報酬じゃないか。世界の仕組みの部品として使い潰されるのもお似合いだ。……と本人は解釈するかなって。
ただ、人間としては保たない。少なくとも祝さん、錦玉さん、一月くんを喪ったら一気に崩れそうになるので、転生は人間だけじゃない、他の生き物にだってなるかも、って教えてもらってさ。
それがその場しのぎの出まかせでも、雲平には最後の糸になる。
以降、白い花を育てて、どの花か分からないけど、どれかにきっと、誰かが転生してるはず、って。
自分の仲間の転生ってことは、自分が仕事した相手も一緒に来ててたくさんいるだろうから、自分を憎み許さず呪う人たちが大半だって自覚もある。それでも良い。当然なことで、わかりきってることだから。それより、仲間が転生して一緒にいたい人たちと一緒の方が良い。もしかしたら、義兄ちゃんや閻魔たちもいるかもしれない。
なので、雲写のKPCの隠し部屋は一部花畑になってるアレンジ入れることになるかな。天井が崩れた半屋外スペースを花畑にして、一人分のスペースだけ空いててさ。さながら猫のように転がって、子どものように花に囲まれて「皆居る」を縋るように信じてる。
PCにも案内するし、皆に報告するし、僅かな時間でも一緒に過ごしたがる。最後の移動では、花を摘んで首輪か冠に編んで、一緒に2000年前に送り出す。実際には、花はこっちに取り残されるのかもしれないけどね。それはそれで、やっと願いが叶う雲平を見送るのかもしれないし、叱っているかもしれないし、何にせよ、彼らの生前にこうなることを隠し続けてたことは雲平も改めてごめんなさいって口にするだろうな。特に祝さんには。
やっと消えられる。正しく戻る。その先で世界がどうなるかはわからない。少なくとも、こんな世界よりかはマシになる。マシな上で滅ぶかどうか。見届ける責任は、前提からして無理だけど、やっぱり見届けたかったな。
……消えられる。やっと、誰にも憎まれずに、誰のことも憎まずに済む。生きるのなんて、存在するだけで痛いだけ。なのに、何でかな。泣きたくて、叫びたくて、会いたくて、触れたくて、
帰りたい。帰りたいよ。帰るとこずっと無いのに、無くしたのに、無くなったのに。おかしい。分かってる。だけど、喉を裂くようにして込み上げるかたまりが何なのか、僕にも分からないの。
お兄ちゃん
いたいよ
◾️◾️◾️◾️畳む
こんなの絶対回せない。
#四季送り
四季送り げんみ❌
雲平の面談がどろどろしがちなので平和なシーンを妄想するの回。
よし、書き上げたぜオチのないSS!
※本文自体はふせったーと同じ。あとがきは一部違う
頭痛がする。
気付いてすぐに薬を飲んだが、倦怠感の方はどうにも拭えない。幸い店番の人手は足りてるし、ティータイムも過ぎている。布巾類の洗濯を口実に、バックヤードに引っ込ませてもらった。
扉を閉めれば、比較的静かな空間にほっとする。こんな時は特に、扉越しに人の気配を感じるくらいがちょうど良い。何かあれば駆け付けられるし、視線や耳に気を張らずに済む。
窓をすかせば、外の風が音を乗せて入り込んでくる。裏に農園があるためか、市内にしては動物の気配を感じることが多い。ずっと眺める時間があれば、木々の間を鳥影が横切ったり、塀の上を歩く猫を見ただろう。
「……今は仕事」
意識を戻す。水を細く出して、大まかな汚れやゴミを洗い流す。なるべく、余計なことを考えないようにする。頭の鈍痛を感じそうになるのを、水の冷たさに集中して覆い隠す。
ほとんど洗い終わった頃。勝手口からカリカリと音がした。かなり低い位置から。
「……どうしたかな」
何が来たかは、察しがついた。水を止めて布巾を絞りながら扉に足を……違う、肘をひっかけて開けてやる。
鳴き声ひとつを挨拶に、顔を覗かせたのは野良猫。この辺りの幾つかの家や店を回りながら生きてる器用なーー世渡り上手、な猫だ。
“あび”の他の人がこの猫のことを知ってるかは知らない。ただ、“あび”の敷地内は猫の巡回路に入っているようだから、何度か見かけてる人はいるかも。僕の場合、この猫とは庭や農園で顔を合わせるか、庭にいる時近付いて来たのを撫でるくらい。あ、縁側で寝たこともあったか。でも、それくらいだ。
これまで、この猫が扉を開けようとしたことは無かった。アピールしたことも。餌の催促の可能性? 少なくとも僕には、食べ物があるのを教えた覚えは無い。
「入る、駄目。待ってて」
果たして猫に言葉が通じるかはわからないが、トレイに水を張って扉の手前に置く。餌やりじゃないから、問題にはならない……多分。
猫の動きに意識を向けつつ、急いで残りの布巾を濯いでカゴに入れる。扉を開けて、「通る」と断ってから猫を跨いで、屋外の洗濯機に入れる。
「みゃあ」
「わ」
とん、と蓋を開けた洗濯機の上に飛び乗る猫。
「危ない。落ちる」
洗剤を入れるのに両手塞がってるタイミングで何故。猫が落ちないように頭で軽く押しやると、猫も僕の頭に頭を押し付けてくる。
「いや、これ、挨拶じゃ……」
訂正したところで猫なので伝わらない。それよりさっさと洗濯機を回そう。
洗剤を入れて、苦労しながら蓋をして、ボタンを押せば、注水音が聞こえてくる。猫はと言えば、仕事の妨げをした自覚も無く、呑気に僕の頭を前脚で挟むようにして抱えている。鞠遊びのつもりだろうか。
ただ、この体勢のときに頭に体重のせるのはやめて欲しい。
引き抜くようにして頭を上げれば、不満げにひと鳴きされた。
「(……お店戻る前に、猫に構って良いかな)」
今戻ったところで、出来ることは限られている。客がいるのに掃除するわけにもいかないし。
猫に腕を伸ばして反応を伺えば、猫は洗濯機から飛び降りた。どうやら抱き上げられる気分ではないらしい。
猫の進む先は庭先の縁側。追い越すようにして向かって適当に腰掛ければ、猫も隣に飛び乗って身体を擦り付けてきた。
猫の背中をそっと撫でてみる。野良猫なのに毛艶が良く、手触りの良さで誰かにブラッシングされてるのがわかる。この猫はずっとそうだ。誰かに保護されるわけでもなく、しかし飼い猫に向けられるような手間を複数の人間から分け与えられている。
わからないのは、そういう人間ばかりを狙って愛嬌振り撒くのではなく、何も与えてない僕にまでこうだってことだ。毎日見かけるわけじゃないし、顔を合わせても毎度こっちに来るわけじゃない。気まぐれに来るにしても、餌だとか、何か見返りを求めて良いはずだ。
特別猫に好かれるようなことをした覚えだって無い。さっき思い返してた通り、最初は敷地内を歩いてるのをぼんやり見てただけ。近づいて来ても、触って良いのかわからなくて、向こうからそうして欲しいとされるまではしなかった。そのうち、一緒に寝ることがあったり。
「(……そう言えば、初めて一緒に寝た時も、頭、痛かった)」
人の気配ひとつだって神経に障る。そんな頭痛に我慢ならず、縁側の下に簾を敷いてサボりをしていたときだ。目蓋を開く度、向こうから“だるまさんが転んだ”みたいにじわじわ猫が近付いてくる。人間じゃないから良いか、なんて放置してたら、触れられるくらいまで近づいてて。出方を伺っていると猫の方から僕の懐に擦り寄って、そのまま寝てしまったのだ。あの時は人が呼びに来る気配で猫が動くまで、ぐっすり寝てしまったような。おかげで、頭痛は楽になっていたのだけど。
「(……思い出してたせい? 頭痛、存在感増してきた)」
猫を見下ろせば、僕の太腿に脚を乗せてこちらを見上げている。じっと、じーっと、こちらを見つめていた。
困った。今の僕はサボりなんかしてる場合じゃない。少しの休憩が終わったなら、“あび”のことひとつでもしないと。なのに、何故か猫から無言の圧を感じる。気のせい?
「……仕事する」
「…………」
無言で、太腿を抑える重さが増す。体重かけられてる。
「…………その前に、もう少し休憩?」
休憩、を口にした瞬間、猫が脚を退けた。縁側の上の日陰になってるところに移動して、座って、尻尾で床を叩いてる。
「(もしかして、この猫、人の言葉理解してる?)」
真実味が増して、ほんのり怖い。けれど、生きてる猫であることは間違いないはずだ。それに、今まで怖いことしてこなかったし……!
猫を待たせるのも怖いので、靴を脱いで、縁側の影、猫の隣に横向けに寝る。すぐさま猫は僕の懐におさまった。じっとこっちを見ている。許しが出るまでは僕は動いちゃいけないらしい。
困ったな、と思う。思うくせに、断らない僕も僕だ。
今日も喧しい頭の中を聞き流しながら、目の前に広がる庭を、農園を眺める。
静か、だ。無音ではないが、気を張るような音は、耳には届かない。身体の前に垂らした腕で猫を囲む。逃げる気配は無い。嫌がる気配も無い。時々、猫に当たる指を動かして撫でてみるが、気にするそぶりは無い。
時間と雲だけ流れて、そのうち、眠たくなってくる。猫もそうなのか、欠伸してから寝る姿勢になったのが見えた。ますます、起き上がり難い。遠慮してしまう。それも作戦のうちなのかーーまさか。流石に、無い。はず。くうくうと寝息に合わせて上下する胴を見守る。
「……ふぁ……あ。」
猫のあくびがうつった、と気付いて、可笑しくなってくる。枕にしている片腕を調整し直して、猫に目を向ける。起き上がるつもりか、と一瞬片耳が動いたのがさらに可笑しい。
「……猫は、ずっとひとり?」
猫は無反応だ。当然だ。普通、伝わるわけない。寝ろの圧だって、本当は僕が休む言い訳にしてるだけかもしれないのに。
なのに、頭が眠気にゆらゆらしてるせいか、ぽつぽつ言葉が落ちる。
「“優しい”は、いる?」
「人間だけじゃなくて、猫同士の……安心なら、どっちでも良いか」
「……昔、ひとりのとき、僕にも“優しい”猫がいて、」
「空き家で、こっそり。逃げたりしないで、一緒にいるの許してくれた。人間は、怒って追いかけて来るけど、猫はしなかった」
「他の動物も、犬とか鳶、追いかけてくる。来るの嫌で、逃げたり隠したりしてるのに。でも猫は皆、僕を見ても逃げるか、一緒に居るかだ」
「だから、僕は、猫が良い。安全で、あたたかい。……寝ろってする猫、お前が初めてだけど」
そんな猫に欠伸をうつされたことが、くすぐられるみたいに可笑しい。寝かしつけが上手な猫なんて聞いたことない。……猫に寝かしつけられる人間も、聞いたことないな。
「頭、また痛くなったら、寝かしつけしに来る?」
薄目を開けて訊いてみる。猫は答えずに目を閉じて、尻尾だけ静かに床を叩く。
伝わってるのか伝わってないのか、僕がそう思いたいだけの勘違いか。
正解がどうあれ、この時間は間違いなく穏やかで優しい昼下がりだった。
◆
猫:本当にただの野良猫。渡り歩くだけあって観察眼はあると思われる。
『猫に寝かしつけられる雲平』というネタを書いただけの、オチの無い話でした。
「猫が良い」は本当で、好きな動物を問われたら(好き、と言えるのか考えた後に)猫と答えます。痒いのうつされることがあるのだけは困るけど、身体洗えば良いだけですからね。
動物が人間の不調を感じ取って行動する話は珍しくない話だと思ってます。もしかしたら雲平が世話になった猫たちも、子どもの不具合に気付いて居場所を許してくれたのかも。他の人間が近付けば勘付いて動くから、子どもも見つかる前に隠れたり出来たかもね。
ただし! 人間社会的に、空き家の件は不法侵入なので! そりゃ見つかれば怒鳴られ追い出されるのよ!
今はしませんよ? 祝さんに解説されてるはずなので。
それにしても、自己管理の場所に少し変化出てきたみたいで。少しずつ「大丈夫」が広がると良いわね。
畳む
#四季送り #SS
雲平の面談がどろどろしがちなので平和なシーンを妄想するの回。
よし、書き上げたぜオチのないSS!
※本文自体はふせったーと同じ。あとがきは一部違う
頭痛がする。
気付いてすぐに薬を飲んだが、倦怠感の方はどうにも拭えない。幸い店番の人手は足りてるし、ティータイムも過ぎている。布巾類の洗濯を口実に、バックヤードに引っ込ませてもらった。
扉を閉めれば、比較的静かな空間にほっとする。こんな時は特に、扉越しに人の気配を感じるくらいがちょうど良い。何かあれば駆け付けられるし、視線や耳に気を張らずに済む。
窓をすかせば、外の風が音を乗せて入り込んでくる。裏に農園があるためか、市内にしては動物の気配を感じることが多い。ずっと眺める時間があれば、木々の間を鳥影が横切ったり、塀の上を歩く猫を見ただろう。
「……今は仕事」
意識を戻す。水を細く出して、大まかな汚れやゴミを洗い流す。なるべく、余計なことを考えないようにする。頭の鈍痛を感じそうになるのを、水の冷たさに集中して覆い隠す。
ほとんど洗い終わった頃。勝手口からカリカリと音がした。かなり低い位置から。
「……どうしたかな」
何が来たかは、察しがついた。水を止めて布巾を絞りながら扉に足を……違う、肘をひっかけて開けてやる。
鳴き声ひとつを挨拶に、顔を覗かせたのは野良猫。この辺りの幾つかの家や店を回りながら生きてる器用なーー世渡り上手、な猫だ。
“あび”の他の人がこの猫のことを知ってるかは知らない。ただ、“あび”の敷地内は猫の巡回路に入っているようだから、何度か見かけてる人はいるかも。僕の場合、この猫とは庭や農園で顔を合わせるか、庭にいる時近付いて来たのを撫でるくらい。あ、縁側で寝たこともあったか。でも、それくらいだ。
これまで、この猫が扉を開けようとしたことは無かった。アピールしたことも。餌の催促の可能性? 少なくとも僕には、食べ物があるのを教えた覚えは無い。
「入る、駄目。待ってて」
果たして猫に言葉が通じるかはわからないが、トレイに水を張って扉の手前に置く。餌やりじゃないから、問題にはならない……多分。
猫の動きに意識を向けつつ、急いで残りの布巾を濯いでカゴに入れる。扉を開けて、「通る」と断ってから猫を跨いで、屋外の洗濯機に入れる。
「みゃあ」
「わ」
とん、と蓋を開けた洗濯機の上に飛び乗る猫。
「危ない。落ちる」
洗剤を入れるのに両手塞がってるタイミングで何故。猫が落ちないように頭で軽く押しやると、猫も僕の頭に頭を押し付けてくる。
「いや、これ、挨拶じゃ……」
訂正したところで猫なので伝わらない。それよりさっさと洗濯機を回そう。
洗剤を入れて、苦労しながら蓋をして、ボタンを押せば、注水音が聞こえてくる。猫はと言えば、仕事の妨げをした自覚も無く、呑気に僕の頭を前脚で挟むようにして抱えている。鞠遊びのつもりだろうか。
ただ、この体勢のときに頭に体重のせるのはやめて欲しい。
引き抜くようにして頭を上げれば、不満げにひと鳴きされた。
「(……お店戻る前に、猫に構って良いかな)」
今戻ったところで、出来ることは限られている。客がいるのに掃除するわけにもいかないし。
猫に腕を伸ばして反応を伺えば、猫は洗濯機から飛び降りた。どうやら抱き上げられる気分ではないらしい。
猫の進む先は庭先の縁側。追い越すようにして向かって適当に腰掛ければ、猫も隣に飛び乗って身体を擦り付けてきた。
猫の背中をそっと撫でてみる。野良猫なのに毛艶が良く、手触りの良さで誰かにブラッシングされてるのがわかる。この猫はずっとそうだ。誰かに保護されるわけでもなく、しかし飼い猫に向けられるような手間を複数の人間から分け与えられている。
わからないのは、そういう人間ばかりを狙って愛嬌振り撒くのではなく、何も与えてない僕にまでこうだってことだ。毎日見かけるわけじゃないし、顔を合わせても毎度こっちに来るわけじゃない。気まぐれに来るにしても、餌だとか、何か見返りを求めて良いはずだ。
特別猫に好かれるようなことをした覚えだって無い。さっき思い返してた通り、最初は敷地内を歩いてるのをぼんやり見てただけ。近づいて来ても、触って良いのかわからなくて、向こうからそうして欲しいとされるまではしなかった。そのうち、一緒に寝ることがあったり。
「(……そう言えば、初めて一緒に寝た時も、頭、痛かった)」
人の気配ひとつだって神経に障る。そんな頭痛に我慢ならず、縁側の下に簾を敷いてサボりをしていたときだ。目蓋を開く度、向こうから“だるまさんが転んだ”みたいにじわじわ猫が近付いてくる。人間じゃないから良いか、なんて放置してたら、触れられるくらいまで近づいてて。出方を伺っていると猫の方から僕の懐に擦り寄って、そのまま寝てしまったのだ。あの時は人が呼びに来る気配で猫が動くまで、ぐっすり寝てしまったような。おかげで、頭痛は楽になっていたのだけど。
「(……思い出してたせい? 頭痛、存在感増してきた)」
猫を見下ろせば、僕の太腿に脚を乗せてこちらを見上げている。じっと、じーっと、こちらを見つめていた。
困った。今の僕はサボりなんかしてる場合じゃない。少しの休憩が終わったなら、“あび”のことひとつでもしないと。なのに、何故か猫から無言の圧を感じる。気のせい?
「……仕事する」
「…………」
無言で、太腿を抑える重さが増す。体重かけられてる。
「…………その前に、もう少し休憩?」
休憩、を口にした瞬間、猫が脚を退けた。縁側の上の日陰になってるところに移動して、座って、尻尾で床を叩いてる。
「(もしかして、この猫、人の言葉理解してる?)」
真実味が増して、ほんのり怖い。けれど、生きてる猫であることは間違いないはずだ。それに、今まで怖いことしてこなかったし……!
猫を待たせるのも怖いので、靴を脱いで、縁側の影、猫の隣に横向けに寝る。すぐさま猫は僕の懐におさまった。じっとこっちを見ている。許しが出るまでは僕は動いちゃいけないらしい。
困ったな、と思う。思うくせに、断らない僕も僕だ。
今日も喧しい頭の中を聞き流しながら、目の前に広がる庭を、農園を眺める。
静か、だ。無音ではないが、気を張るような音は、耳には届かない。身体の前に垂らした腕で猫を囲む。逃げる気配は無い。嫌がる気配も無い。時々、猫に当たる指を動かして撫でてみるが、気にするそぶりは無い。
時間と雲だけ流れて、そのうち、眠たくなってくる。猫もそうなのか、欠伸してから寝る姿勢になったのが見えた。ますます、起き上がり難い。遠慮してしまう。それも作戦のうちなのかーーまさか。流石に、無い。はず。くうくうと寝息に合わせて上下する胴を見守る。
「……ふぁ……あ。」
猫のあくびがうつった、と気付いて、可笑しくなってくる。枕にしている片腕を調整し直して、猫に目を向ける。起き上がるつもりか、と一瞬片耳が動いたのがさらに可笑しい。
「……猫は、ずっとひとり?」
猫は無反応だ。当然だ。普通、伝わるわけない。寝ろの圧だって、本当は僕が休む言い訳にしてるだけかもしれないのに。
なのに、頭が眠気にゆらゆらしてるせいか、ぽつぽつ言葉が落ちる。
「“優しい”は、いる?」
「人間だけじゃなくて、猫同士の……安心なら、どっちでも良いか」
「……昔、ひとりのとき、僕にも“優しい”猫がいて、」
「空き家で、こっそり。逃げたりしないで、一緒にいるの許してくれた。人間は、怒って追いかけて来るけど、猫はしなかった」
「他の動物も、犬とか鳶、追いかけてくる。来るの嫌で、逃げたり隠したりしてるのに。でも猫は皆、僕を見ても逃げるか、一緒に居るかだ」
「だから、僕は、猫が良い。安全で、あたたかい。……寝ろってする猫、お前が初めてだけど」
そんな猫に欠伸をうつされたことが、くすぐられるみたいに可笑しい。寝かしつけが上手な猫なんて聞いたことない。……猫に寝かしつけられる人間も、聞いたことないな。
「頭、また痛くなったら、寝かしつけしに来る?」
薄目を開けて訊いてみる。猫は答えずに目を閉じて、尻尾だけ静かに床を叩く。
伝わってるのか伝わってないのか、僕がそう思いたいだけの勘違いか。
正解がどうあれ、この時間は間違いなく穏やかで優しい昼下がりだった。
◆
猫:本当にただの野良猫。渡り歩くだけあって観察眼はあると思われる。
『猫に寝かしつけられる雲平』というネタを書いただけの、オチの無い話でした。
「猫が良い」は本当で、好きな動物を問われたら(好き、と言えるのか考えた後に)猫と答えます。痒いのうつされることがあるのだけは困るけど、身体洗えば良いだけですからね。
動物が人間の不調を感じ取って行動する話は珍しくない話だと思ってます。もしかしたら雲平が世話になった猫たちも、子どもの不具合に気付いて居場所を許してくれたのかも。他の人間が近付けば勘付いて動くから、子どもも見つかる前に隠れたり出来たかもね。
ただし! 人間社会的に、空き家の件は不法侵入なので! そりゃ見つかれば怒鳴られ追い出されるのよ!
今はしませんよ? 祝さんに解説されてるはずなので。
それにしても、自己管理の場所に少し変化出てきたみたいで。少しずつ「大丈夫」が広がると良いわね。
畳む
#四季送り #SS
日記を延々四季送りの壁打ちにしてるのだけど他に無いのか!? 私も思う!!
現状見えてる雲平に見せてはいけないものの話。どろどろに書き殴ってるから後から違う見解あるかもしれない。
四季送り げんみ❌
見せてはいけないもの:万能の願望機、蠱毒が転生していること
願いを叶えるもの。不可能を可能にする奇跡をもたらすもの。即ち聖杯の類です。もしくは神様。
あいつが何を犠牲にしてでも叶えたい望みは【代役の無い自身の存在消滅】だし、それで世界がどうなるかの試験石を兼ねての自滅の呪いなので……自分が消滅すれば、自分のせいで発生した事象も無くなるはず。例えその過程に仲間を手にかけることになっても、全て“正しいかたち”におさまれば、無かったことになる。
つまり、欲しいのは自分が発生する直前からのdelete key。それ以降の文章を全部消して、存在諸共自分が関与する事象を消し去りたい。
「償いを求めるくせ、その手段を世界が許さないから、これしかないじゃない。来世は祝の願いが先約だけど、それも僕のせいで生じていることなんだしさ」。
ただ、修正力が働くようなら話は別。それ知った瞬間に願いが破滅的なものになるかと。
具体的なのは浮かばないから願えないだけで、世界の仕組みに絶望するし、現実の理不尽さに失望する。
修正力がはたらく? ふざけるな。
“存在自体が罪”なのに消えることも許されず、犠牲になった人々の無念も歴史ドラマのひとつとして消費され、遺された人々の苦悩だって好き勝手に脚色されては食い潰される。それが罰だとか贖いだとか、後の世を善くする転機だったとか、当人は放置されて行き場もなく彷徨うばかり。
「いやいや鬼畜のくせに言える立場に無いだろう」って? たまたまこうならなかっただけの上澄の輩が日向ぼっこしながら何を言う。
呪詛の掃溜め。
上澄から淀みへと沈澱し、上澄が排泄した悪性で食い繋ぎ、さらに濁ってついに何処にもいけず、どうにもならず、死んでも穢され、しかし慟哭することも叶わぬ某。
均くそれを掻き混ぜ、上澄の輩にもこの無念、悲痛、傲慢への憤りを届かせることが出来たなら。届かず濁り輪郭すら失う弔われぬ穢れに、一瞬の安らぎを与えることが出来たなら。
それこそ傲慢なのだけど、日向に身を焼きながら感じる蓋の下の澱みは、願望機を前にしては否定出来ないかなって。
親馬鹿してるわけじゃないと宣言した上で、優し過ぎるのかも、と。背負え切れないくせ優しい、は愚者のすることと怒るべきかも知れないけど。やっぱわからん、表現の仕方。
他者を踏みつけて歴史を積み上げ幸福を目指す人間の無自覚さに怒るし、自分もそのひとりであることに失望するし、他者を害し遺族も苦しんでるのは本編以前から理解してるし、踏みつけてる底には自分のような人間たちが無数にいることを感じている。
うーんまとまらないな。纏まらないってことが雲平の苦悩の一つか。
そんな雲平に蠱毒の転生を知らせてはいけない理由が、因果応報、本編にあった書物にも罪人は転生できないこともある可能性を示されていて、それは救いだったのに、世界に裏切られてしまうから。錦玉さんが旧い印持たせたのを知らないからね! 知らないままの方がいいのだが。
そりゃ実行犯じゃないって言われたらそれまでなんだけど、罪業には数えられて然るべきじゃん、と奉弥は思ってしまう。責任転嫁も甚だしいけど家族を手に掛けた遠因はヨスガだからね。ヨスガさえ居なければ、一連のことは起きなかったのよ。
HO秋は許されない絶対の加害者であると同時に、復讐の宛が無い被害者でもあり……。(PL秋が言うべきじゃないのは百も承知です。あくまで俯瞰しての一意見はこうって話)
そんな転生許されない組であるべき蠱毒が転生していると知れば、奉弥としては世界を呪うし、転生出来てしまう矛盾に雲平も発狂しそうになる。ただでさえ存在する矛盾に擦り切れてんだが?
と言うわけで!! 強引だけど!!
絶対雲平に見せてはいけないものは【万能の願望機】と【蠱毒が転生していること】でした!!!!!
少なくとも自分の願いは叶わないと諦めている現状を維持した方が良いです!! 詰む!!!!!!畳む
#四季送り #思考整理
現状見えてる雲平に見せてはいけないものの話。どろどろに書き殴ってるから後から違う見解あるかもしれない。
四季送り げんみ❌
見せてはいけないもの:万能の願望機、蠱毒が転生していること
願いを叶えるもの。不可能を可能にする奇跡をもたらすもの。即ち聖杯の類です。もしくは神様。
あいつが何を犠牲にしてでも叶えたい望みは【代役の無い自身の存在消滅】だし、それで世界がどうなるかの試験石を兼ねての自滅の呪いなので……自分が消滅すれば、自分のせいで発生した事象も無くなるはず。例えその過程に仲間を手にかけることになっても、全て“正しいかたち”におさまれば、無かったことになる。
つまり、欲しいのは自分が発生する直前からのdelete key。それ以降の文章を全部消して、存在諸共自分が関与する事象を消し去りたい。
「償いを求めるくせ、その手段を世界が許さないから、これしかないじゃない。来世は祝の願いが先約だけど、それも僕のせいで生じていることなんだしさ」。
ただ、修正力が働くようなら話は別。それ知った瞬間に願いが破滅的なものになるかと。
具体的なのは浮かばないから願えないだけで、世界の仕組みに絶望するし、現実の理不尽さに失望する。
修正力がはたらく? ふざけるな。
“存在自体が罪”なのに消えることも許されず、犠牲になった人々の無念も歴史ドラマのひとつとして消費され、遺された人々の苦悩だって好き勝手に脚色されては食い潰される。それが罰だとか贖いだとか、後の世を善くする転機だったとか、当人は放置されて行き場もなく彷徨うばかり。
「いやいや鬼畜のくせに言える立場に無いだろう」って? たまたまこうならなかっただけの上澄の輩が日向ぼっこしながら何を言う。
呪詛の掃溜め。
上澄から淀みへと沈澱し、上澄が排泄した悪性で食い繋ぎ、さらに濁ってついに何処にもいけず、どうにもならず、死んでも穢され、しかし慟哭することも叶わぬ某。
均くそれを掻き混ぜ、上澄の輩にもこの無念、悲痛、傲慢への憤りを届かせることが出来たなら。届かず濁り輪郭すら失う弔われぬ穢れに、一瞬の安らぎを与えることが出来たなら。
それこそ傲慢なのだけど、日向に身を焼きながら感じる蓋の下の澱みは、願望機を前にしては否定出来ないかなって。
親馬鹿してるわけじゃないと宣言した上で、優し過ぎるのかも、と。背負え切れないくせ優しい、は愚者のすることと怒るべきかも知れないけど。やっぱわからん、表現の仕方。
他者を踏みつけて歴史を積み上げ幸福を目指す人間の無自覚さに怒るし、自分もそのひとりであることに失望するし、他者を害し遺族も苦しんでるのは本編以前から理解してるし、踏みつけてる底には自分のような人間たちが無数にいることを感じている。
うーんまとまらないな。纏まらないってことが雲平の苦悩の一つか。
そんな雲平に蠱毒の転生を知らせてはいけない理由が、因果応報、本編にあった書物にも罪人は転生できないこともある可能性を示されていて、それは救いだったのに、世界に裏切られてしまうから。錦玉さんが旧い印持たせたのを知らないからね! 知らないままの方がいいのだが。
そりゃ実行犯じゃないって言われたらそれまでなんだけど、罪業には数えられて然るべきじゃん、と奉弥は思ってしまう。責任転嫁も甚だしいけど家族を手に掛けた遠因はヨスガだからね。ヨスガさえ居なければ、一連のことは起きなかったのよ。
HO秋は許されない絶対の加害者であると同時に、復讐の宛が無い被害者でもあり……。(PL秋が言うべきじゃないのは百も承知です。あくまで俯瞰しての一意見はこうって話)
そんな転生許されない組であるべき蠱毒が転生していると知れば、奉弥としては世界を呪うし、転生出来てしまう矛盾に雲平も発狂しそうになる。ただでさえ存在する矛盾に擦り切れてんだが?
と言うわけで!! 強引だけど!!
絶対雲平に見せてはいけないものは【万能の願望機】と【蠱毒が転生していること】でした!!!!!
少なくとも自分の願いは叶わないと諦めている現状を維持した方が良いです!! 詰む!!!!!!畳む
#四季送り #思考整理
四季送り Rise to the sky げんみ❌
読み返してみれば、あーやっぱ子どもだなぁって思うところあったり。
郵便屋さん──あんな些細な成功体験だって、彼(困ったことに雲平なのか奉弥なのかの区別がつけられない)の支えになり得るんだよねぇ。なんて改めて。
彼の人間質や“自分が存在するにあたっての耐久性”って、河原で積み上げる石みたいに不安定だから、支える小石が多いに越したことはない。……賽の河原へ送った死者に囲まれてるみたいな針の筵感込みでの例えですとも。誤用じゃないよちくせう。
ともかく、そんな理由で砂粒くらいのでも大事な支えになる。中の人が再確認出来たのは良かったな。本人が望んで求めることは出来ないけど、調整はかけられる。
今回、本人が覚えてないのが残念ね。でも、安全に涙流せたのは貴重な事象だった。次は覚えてられると良いね。
畳む
#四季送り
読み返してみれば、あーやっぱ子どもだなぁって思うところあったり。
郵便屋さん──あんな些細な成功体験だって、彼(困ったことに雲平なのか奉弥なのかの区別がつけられない)の支えになり得るんだよねぇ。なんて改めて。
彼の人間質や“自分が存在するにあたっての耐久性”って、河原で積み上げる石みたいに不安定だから、支える小石が多いに越したことはない。……賽の河原へ送った死者に囲まれてるみたいな針の筵感込みでの例えですとも。誤用じゃないよちくせう。
ともかく、そんな理由で砂粒くらいのでも大事な支えになる。中の人が再確認出来たのは良かったな。本人が望んで求めることは出来ないけど、調整はかけられる。
今回、本人が覚えてないのが残念ね。でも、安全に涙流せたのは貴重な事象だった。次は覚えてられると良いね。
畳む
#四季送り
最近何故か朝方に一度は目が覚めるので、睡眠時間確保のためにも早寝かなぁ。やりたいことたんまりあるのにさぁ!
今日もお仕事頑張ろうねぇ。
#日常