四季送り げんみ❌
人間の悪性だとか、社会問題に触れてて言葉強めです。精神状態優先してください。
おー……なるほど両親と話すってのは思いつかなかった。実際どうなんだろうな雲平。
雲平/奉弥のままが良いのか、8歳児時点の奉弥が接触してそれを覚えて終わる形式が良いのか。
前者の懸念点は
・他を差し置いて自分が縁のある死者に会って話すなど会って良いはずがない
・何を話せば良いか分からない、話す資格が無い
・折角「ふたりの子どもは大量殺人者だ」って事実を伏せたのに、卑怯でも伏せたのが明るみになるんじゃないか
……最後のは保身のためじゃなくて、「愛情注いで育てたつもりの子どもはその後、ある男による、大義も意味も無い娯楽の為の大量殺人者になった。産み育てない方が良かった、無意味だった」「しかもその男は二人が頼った人間だ。二人の人生は、我が子を殺人者として開花させる贄として消費された」「二人は虐殺者の親だ」と突きつけるのが嫌、なんだよな。
将来どんな大人になるだろうと希望たっぷりに夫婦で語っていたのが、人間社会においては到底許されることのない大量虐殺者。憎まれ呪われて当然で、その余波は夫婦にだってきっと及ぶ。それを雲平は知っている。
テレビ見てたってわかること。世論なんてそんなもの。犯罪者への憎しみはその家族にも向けられる。『加害者なんだから、その家族にも責任はある、お前らも詫びて償うべきだ! 悪人を世に放ったお前らに、文句を言う資格は無い』『関係者だと見做されたくないので、縁を切ってください。ーーああ、あの一家についてですか? この辺りじゃ、』『ここが容疑者の実家、これが家族の顔、個人情報大公開!』ーー最近ようやく人権問題として声が上がるようになったけど、基本的に人間社会はそうは変わらない。
誰もが容易に前触れもなく上澄みから凋落する可能性があるのに、そんなことも忘れて、ね。
子どものままで話したとして、記憶や精神で別ルートだから、シュミレートが難しいな。考えながら挙げてみると、
・記憶が無いものの殺した認識がある→「どうしてこんなことになったの」
あー、子どもの方、8歳児の方の精神かなり重症では!?
「どうしてこんなことになったの」の下にあるの、「お家に帰りたい」「帰れない、僕が壊した」「お父さん、お母さん、なんで?」なのよ。
しかも記憶が無いままでも思い出そうとしたら殺人に至ったストレスが蘇る。怖くて嫌でわけが分からなくなるのに、野宮神社で思い出したワンシーンだけはきっと思い出せて幼心にも愛されてる感覚はあったと感じてしまう。……記憶が無いまま〜は今の雲平も同じだな。
どうしたもんかな。いっそ8歳児をちゃんと親元に流してやった方が良いのか? そんな器用なシナリオあるわけ無いだろちくせう。
雲平にとっての家族は祝さんだし、奉弥という人間が続いてはいるんだ。でも、社会的に梟木奉弥って人間はもういない。戸籍上でも消えてるはず。7年をゆうに超えてるし、そもそもヨスガが消してるでしょ。父親は「墓、ジジイあたりが立ててるかも」と話してたけど、シナリオでは『HO3の両親の墓は無い、ごめん』となってるのでね。そりゃそうだよな!! 何なら親ともども失踪扱いになって社会から消えてるよ、誰も探さないし。
(【社会的に透明な子どもたちは一定数いる】って認識が中の人にあるせいでもあります)
まあ、そこらが見えてたら、だ。
梟木奉弥という、この世に生まれ人殺しになった人間の存在は罪業ごと消せはしない。魂は真名に乗せて祝さんに委ねてる。死んでも魂に染み付いた呪詛は雪がれない。
だとしても、8歳児までの梟木奉弥という児童の精神は、夫婦のもとに送ることが出来るのでは。
なんて言うのかな、人格を切り離すとかじゃなくて。理屈だけを組み立てるなら、
・あれくらいの年齢の被虐待児(ごめん両親)なら、どんなに苦しい思いをしていても本能で親を愛そうとする心理がはたらく。
・奉弥本人が愛されていると感じていたし、事実両親も(ヨスガの洗脳を受けていたとは言え)我が子を愛し育んでいた。
→「両親のところへ帰りたい」と思う“親を殺したところまでの8歳児の奉弥の精神”に不自然は無い。一方、雲平が抱え続けると「僕の家族は祝なのに」「そもそも帰りたいなんてどの口が言うのか」など矛盾と歪みを深める一方である。
→塔での会話でも、夫婦の悲しみは奉弥の成長を見届けられないことだと話された際、雲平は「その子どもも〜」と、“前の子ども”として切り分けを強めていた。その実績の認識は今なお強く残っているため、今の自分から部分的に精神を切り離すイメージつけ易いかもしれない。
→→『8歳児の“未練”を流す』などの方便で流せないか。そのために夫婦と話すならば、少なくとも最初は“両親を殺したところまでの8歳児”で話す方が「何があったの」「ごめんなさい」「帰りたい、お父さんとお母さんと一緒にいたかった」あたりも出せるのかな……いやあ出てくる出てくる、嘘だろえげつないって。
しかも、『鈍になった』の原因に絡む話として、雲平の中で幼い頃の奉弥や子どもの境界が混濁し易いの、悪化してる節がある。人間質が培われる=新しい部分と、健全だった頃の幼く旧い部分も出てきた、ってとこか。膿み続けてた患部が表層に近づく程、破けるリスクも滲み出るものも、違和感&存在感も大きくなるよなぁ。
今書き出しながら、雲平の中にはこれだけ残骸埋もれてたのかと驚いてるよ。しかもそれを許せないから知覚しきる前に踏み潰して砕き続けてるんだよな。
……これどうすんの。結構キツいのぶつけることならない?
私の感覚じゃ、「砕いたガラス片がたくさん入った袋の中に素手を突っ込んで、目的の貝殻拾い上げてねー!」みたいなのをもたらしそうで心配なのですが。貫通ダメージ与えない?
伏せにする前に書き出して正解だった、とも言い切れないなぁ。。 どう書き直すんだってばよ。
追記
そういや戸籍の話で、まだ伏せにもチャンネルにも出せてない話あったわ。
雲平が錦玉さんの居場所に少し敏感な理由。
“あび”関係者の中で祝さん(と香華先生)の他に錦玉さんだけなんですよ、世界に生まれた際に得た戸籍で生きていられてるの。
戸籍は社会的な存在証明票だし、自分のルーツの証明票。「裏社会じゃ戸籍売買あるんだし、戸籍の価値もそんなものと感じるんじゃ?」と思えばその逆で、自分が社会的に透明になった心細さ、居場所やルーツを絶つことで守れる物も失うものの大きさも分かってる。
親戚のおばさんが“あび”に来ることあるらしいけど、どうにもやはりその間気配消すか居なくなる気がする。引き目は当然あるけど(密告)、純粋に脅かしたくない、穢れを移したくないのもある。
面談では「お前すぐ身を引こうとするの悪癖だぞ」と雲平を蹴飛ばしてはいるのだけど。……最近は“あび”に対しての発生が減ってるんじゃないかな? 一月くんの件で錦玉さんの意向や所感示されたのマージでありがてぇ。
兎にも角にも、自分が経験してることで思うことがある部分については、他の人まで経験しろとは思わないのでね。つい余計なお世話するかもしれないまであって。同じ轍を踏むの傍観してるだけって、自分が嫌う人間様と同類になる気がするし。
「彼らを日向に押し返したい」。元通りに出来ないけど、元の場所に元のかたちに近くして生きていけるように。
彼らに今残ってるものがあるなら、残したまま返してやりたいのです。これは、ひとりの人間として。その殆どは自分に残らなかったものだから。
畳む
#四季送り #思考整理
人間の悪性だとか、社会問題に触れてて言葉強めです。精神状態優先してください。
おー……なるほど両親と話すってのは思いつかなかった。実際どうなんだろうな雲平。
雲平/奉弥のままが良いのか、8歳児時点の奉弥が接触してそれを覚えて終わる形式が良いのか。
前者の懸念点は
・他を差し置いて自分が縁のある死者に会って話すなど会って良いはずがない
・何を話せば良いか分からない、話す資格が無い
・折角「ふたりの子どもは大量殺人者だ」って事実を伏せたのに、卑怯でも伏せたのが明るみになるんじゃないか
……最後のは保身のためじゃなくて、「愛情注いで育てたつもりの子どもはその後、ある男による、大義も意味も無い娯楽の為の大量殺人者になった。産み育てない方が良かった、無意味だった」「しかもその男は二人が頼った人間だ。二人の人生は、我が子を殺人者として開花させる贄として消費された」「二人は虐殺者の親だ」と突きつけるのが嫌、なんだよな。
将来どんな大人になるだろうと希望たっぷりに夫婦で語っていたのが、人間社会においては到底許されることのない大量虐殺者。憎まれ呪われて当然で、その余波は夫婦にだってきっと及ぶ。それを雲平は知っている。
テレビ見てたってわかること。世論なんてそんなもの。犯罪者への憎しみはその家族にも向けられる。『加害者なんだから、その家族にも責任はある、お前らも詫びて償うべきだ! 悪人を世に放ったお前らに、文句を言う資格は無い』『関係者だと見做されたくないので、縁を切ってください。ーーああ、あの一家についてですか? この辺りじゃ、』『ここが容疑者の実家、これが家族の顔、個人情報大公開!』ーー最近ようやく人権問題として声が上がるようになったけど、基本的に人間社会はそうは変わらない。
誰もが容易に前触れもなく上澄みから凋落する可能性があるのに、そんなことも忘れて、ね。
子どものままで話したとして、記憶や精神で別ルートだから、シュミレートが難しいな。考えながら挙げてみると、
・記憶が無いものの殺した認識がある→「どうしてこんなことになったの」
あー、子どもの方、8歳児の方の精神かなり重症では!?
「どうしてこんなことになったの」の下にあるの、「お家に帰りたい」「帰れない、僕が壊した」「お父さん、お母さん、なんで?」なのよ。
しかも記憶が無いままでも思い出そうとしたら殺人に至ったストレスが蘇る。怖くて嫌でわけが分からなくなるのに、野宮神社で思い出したワンシーンだけはきっと思い出せて幼心にも愛されてる感覚はあったと感じてしまう。……記憶が無いまま〜は今の雲平も同じだな。
どうしたもんかな。いっそ8歳児をちゃんと親元に流してやった方が良いのか? そんな器用なシナリオあるわけ無いだろちくせう。
雲平にとっての家族は祝さんだし、奉弥という人間が続いてはいるんだ。でも、社会的に梟木奉弥って人間はもういない。戸籍上でも消えてるはず。7年をゆうに超えてるし、そもそもヨスガが消してるでしょ。父親は「墓、ジジイあたりが立ててるかも」と話してたけど、シナリオでは『HO3の両親の墓は無い、ごめん』となってるのでね。そりゃそうだよな!! 何なら親ともども失踪扱いになって社会から消えてるよ、誰も探さないし。
(【社会的に透明な子どもたちは一定数いる】って認識が中の人にあるせいでもあります)
まあ、そこらが見えてたら、だ。
梟木奉弥という、この世に生まれ人殺しになった人間の存在は罪業ごと消せはしない。魂は真名に乗せて祝さんに委ねてる。死んでも魂に染み付いた呪詛は雪がれない。
だとしても、8歳児までの梟木奉弥という児童の精神は、夫婦のもとに送ることが出来るのでは。
なんて言うのかな、人格を切り離すとかじゃなくて。理屈だけを組み立てるなら、
・あれくらいの年齢の被虐待児(ごめん両親)なら、どんなに苦しい思いをしていても本能で親を愛そうとする心理がはたらく。
・奉弥本人が愛されていると感じていたし、事実両親も(ヨスガの洗脳を受けていたとは言え)我が子を愛し育んでいた。
→「両親のところへ帰りたい」と思う“親を殺したところまでの8歳児の奉弥の精神”に不自然は無い。一方、雲平が抱え続けると「僕の家族は祝なのに」「そもそも帰りたいなんてどの口が言うのか」など矛盾と歪みを深める一方である。
→塔での会話でも、夫婦の悲しみは奉弥の成長を見届けられないことだと話された際、雲平は「その子どもも〜」と、“前の子ども”として切り分けを強めていた。その実績の認識は今なお強く残っているため、今の自分から部分的に精神を切り離すイメージつけ易いかもしれない。
→→『8歳児の“未練”を流す』などの方便で流せないか。そのために夫婦と話すならば、少なくとも最初は“両親を殺したところまでの8歳児”で話す方が「何があったの」「ごめんなさい」「帰りたい、お父さんとお母さんと一緒にいたかった」あたりも出せるのかな……いやあ出てくる出てくる、嘘だろえげつないって。
しかも、『鈍になった』の原因に絡む話として、雲平の中で幼い頃の奉弥や子どもの境界が混濁し易いの、悪化してる節がある。人間質が培われる=新しい部分と、健全だった頃の幼く旧い部分も出てきた、ってとこか。膿み続けてた患部が表層に近づく程、破けるリスクも滲み出るものも、違和感&存在感も大きくなるよなぁ。
今書き出しながら、雲平の中にはこれだけ残骸埋もれてたのかと驚いてるよ。しかもそれを許せないから知覚しきる前に踏み潰して砕き続けてるんだよな。
……これどうすんの。結構キツいのぶつけることならない?
私の感覚じゃ、「砕いたガラス片がたくさん入った袋の中に素手を突っ込んで、目的の貝殻拾い上げてねー!」みたいなのをもたらしそうで心配なのですが。貫通ダメージ与えない?
伏せにする前に書き出して正解だった、とも言い切れないなぁ。。 どう書き直すんだってばよ。
追記
そういや戸籍の話で、まだ伏せにもチャンネルにも出せてない話あったわ。
雲平が錦玉さんの居場所に少し敏感な理由。
“あび”関係者の中で祝さん(と香華先生)の他に錦玉さんだけなんですよ、世界に生まれた際に得た戸籍で生きていられてるの。
戸籍は社会的な存在証明票だし、自分のルーツの証明票。「裏社会じゃ戸籍売買あるんだし、戸籍の価値もそんなものと感じるんじゃ?」と思えばその逆で、自分が社会的に透明になった心細さ、居場所やルーツを絶つことで守れる物も失うものの大きさも分かってる。
親戚のおばさんが“あび”に来ることあるらしいけど、どうにもやはりその間気配消すか居なくなる気がする。引き目は当然あるけど(密告)、純粋に脅かしたくない、穢れを移したくないのもある。
面談では「お前すぐ身を引こうとするの悪癖だぞ」と雲平を蹴飛ばしてはいるのだけど。……最近は“あび”に対しての発生が減ってるんじゃないかな? 一月くんの件で錦玉さんの意向や所感示されたのマージでありがてぇ。
兎にも角にも、自分が経験してることで思うことがある部分については、他の人まで経験しろとは思わないのでね。つい余計なお世話するかもしれないまであって。同じ轍を踏むの傍観してるだけって、自分が嫌う人間様と同類になる気がするし。
「彼らを日向に押し返したい」。元通りに出来ないけど、元の場所に元のかたちに近くして生きていけるように。
彼らに今残ってるものがあるなら、残したまま返してやりたいのです。これは、ひとりの人間として。その殆どは自分に残らなかったものだから。
畳む
#四季送り #思考整理
四季送り げんみ❌
四季送りの脳内面談、昨日のはまだまだ書き換えたりするので他のこと……うーん。
裏面で起きてること、雲平の地雷事項にも関わるから、伏せに纏めて開示した方がええだろか、と悩み悩み。
どうするにしろ、解きほぐしておかないと、本人も祝さんたちから善性で願われたり向けられてる感情を無下にしたくないって思ってるからさ。幸せや生存を願われること自体が苦痛になるだけで受け手都合で……うーん!!!
厨房で杏仁さんに言われた通り、どろどろは隠してるつもりでいるんです。メタはともかくとして。
あくまで少しでも進展するように動いてる、その姿勢は見せ続けられるように。履行出来るように。
毒吐きするにも何からアプローチすれば良いのやら。ピッタリなシナリオにも心当たりが無いー!!
やっぱ雲平辞典作るべきか……内面触れると纏まらなくなるのが見えるぅぅ。畳む
追記:取り敢えず【空白の航海】用意しました。いつやるかは未定。
#四季送り #思考整理
四季送りの脳内面談、昨日のはまだまだ書き換えたりするので他のこと……うーん。
裏面で起きてること、雲平の地雷事項にも関わるから、伏せに纏めて開示した方がええだろか、と悩み悩み。
どうするにしろ、解きほぐしておかないと、本人も祝さんたちから善性で願われたり向けられてる感情を無下にしたくないって思ってるからさ。幸せや生存を願われること自体が苦痛になるだけで受け手都合で……うーん!!!
厨房で杏仁さんに言われた通り、どろどろは隠してるつもりでいるんです。メタはともかくとして。
あくまで少しでも進展するように動いてる、その姿勢は見せ続けられるように。履行出来るように。
毒吐きするにも何からアプローチすれば良いのやら。ピッタリなシナリオにも心当たりが無いー!!
やっぱ雲平辞典作るべきか……内面触れると纏まらなくなるのが見えるぅぅ。畳む
追記:取り敢えず【空白の航海】用意しました。いつやるかは未定。
#四季送り #思考整理
四季送り げんみ❌
花笑みを踏まえて脳内整理。雲平主体のとこは雲平の呼び方になってます。
まだ整理し切れてないし一部雲平の感情に当てられててどろどろしてます。手直し入ります。全然書き終わってない。閲覧注意。 更新忘れてた 一応書き終えました
◆シナリオ開始時の雲平の目標◆
①純粋な関心として、チトセが何を撮るのかを見たい
②自分が約束、宣言してきたことを考えるのに必要な"幸せ"を、写真からアプローチしてとらえたい。チトセを見て手掛かりが欲しい
③訊けそうなら"友達・改"の定義を教えてもらいたい
裏背景に絡むんだけど、特に②の"幸せ"が厄介。
本編を経て、雲平にとっての幸せは『日向の夢』→『窓向こうの日向に“あび”が続くのを見ていること』に変化。加えて、自分に"幸せ"を求められることに(願われた場合は、願われてる自分自身に)強烈な嫌悪感を抱く。
※事情背景知ってる身内からのは別枠だし、そもそもこれ自分(受け手側)の問題。
他要因たくさんあるのを割愛するくらいには、そもそも「自分を通して"しあわせ"を考えようとする」ことが出来る状態じゃない。肝心の本人は無自覚。それでも「無駄な行いだろうが、考えるくらいは出来る以上、こじつけでも良いからかたちにしなければ」ってことだけは常に頭の中にこびりついている。
それに自分も相手もいつまで猶予があるかわからない。「時間を無駄に出来ない、何も出来なくても何かしないと」が強いのが今も続いてる。心の麻酔として機能している面もありますが。
そんなある日、偶然今回のアーケードの話を知ったってのが裏背景です。
「チトセなら」と真っ先に思い浮かべて声を掛けたあたり、「"幸せ"を知ってる人 かつ 願える人」って認識してるんだろうな。
◆進展したこと◆
目標の①は確定で達成するとして、②③も大きく進展したかなと思います。
自分の"幸せ"に対しても、嫌悪感や憎悪はそのままに、"宝物"という形で『手放したくないもの』に気付けたので……まさかここで繋がるとは完全に予想外だったな……。
話を戻して、進展したことを整理すると。
①"友達・改"を体感的にも認識できた
雲平:「(僕が含まれることの意義と成果を問い続けていたの、的外れだったらしい)」
と帰宅後ミッフィー面するくらいにはぽんこつしてた雲平です。実際、これまで「仲間」は言えても「友達」とは発言するのを避けていました。
結成時だって無責任に頷いたわけじゃない。この際暴露するとエンディング時点で雲平は「チトセたち帰って来た。錦玉ももうひとりじゃない。やっとスタートラインに送れた」って脱力しかけてたように"仲間"として居座ってる現状の節目になっておかしくないって気持ちでいたんです。それで静かにみんなの様子を眺めてた。なのに、節目どころか"友達"という繋がりに招かれて、そのときの困惑と言ったら!
だから、あの時の「面白い」って、皮肉なんです。自分自身への盛大な皮肉。
一方で、「"友達"が"仲間"と同じようなものなら、"友達"としての意義を見出し、果たせるかもしれない。どんなに「滑稽だ身の程弁えてんのか奴らの仇が友情ごっこかよ」と頭の中に嘲笑われても、信じようとしてくれる"仲間"に応えたいと顔を上げるのは、間違いじゃないはずだーーこの時点で意気込みどころを誤ってたんでしょうね。
事実、何も出来なくても何かしようと約束・宣言したこと含めて探し回っている間に、"仲間"と"友達"は違うって感覚が強くなって、今回に至ってますから。錦玉さんに怒られろ。
結論として、あんなに悩み続けていた"友達"に意義も成果も必要なくて、ただ一緒に楽しい・嬉しいなどを共有することを大事に出来れば良かった。それは既に雲平が"あび"の人たちに抱いていることで、とっくに"友達・改"だった。
本人は「そんなことで良かったの!? ずっとあったことなのに!?」とショックなのか安堵なのかわかんない衝撃を受けてましたけどね。良かった。
二次効果として、"友達・改"を認識したことで、素直に受け取れる範囲が広がりました。相手が自分に向ける感情をイメージできたからです。
普段自分が「良かったと思えることの理由になっている」的なことを言われても、自分じゃ誰かの喜びになり得る価値を提供できているとは思えない。釣り合わないから、どう受け取れば良いかわからないんです。
だけど今回は「"友達・改"のチトセと一緒に来れて嬉しかった、楽しかった」がある。雲平がチトセくんを"友達"と深く認識出来たから、チトセくんが「一緒に来れて嬉しかった、楽しかったなら猶更」を体感的に理解出来たのでした。雲平のやつ、自分から記念写真を思いつくくらい、心の底からの嬉しいを感じてましたよ。
今後は、自分に向けられるやわらかな感情に対して素直に受け止めやすくなるんじゃないかな。「良いの。本当に?」なんてワンシンキングを挟む率が減る。
②既に手にしているもの
とっくに手にしていたもの。ひとつは①ですが、二つ目思いがけず出て来たのが"宝物"でした。
小ネタ設定。雲平のスマホの中に残ってる一番古い写真は、居眠り祝さんの写真。
脳内面談メモを引用すると、以下の通り。
リスクを差し置いてでも手元に留めたい"宝物"が、祝さんの平和な寝顔なんですよ。
『写真に撮って残そうとするのは"しあわせ"のとき』と仮定したのは他ならぬ雲平です。
そしてこの"宝物"は、祝さんに真名を渡した頃の子どもが撮った写真です。
祝さんに人間に戻してもらう中、初めて自然な想いで撮りたくて撮った写真を、ずぅっと手元に残して大事にしている。その事実を思い出したなら、無視できることじゃない。幾つかの認識や制限が覆る。「僕にとっての幸せがあってはいけない」とか、ずっと手元にあんじゃん!ってなる。
そこに続いたチトセくんの発言がしみる。
「平ちゃん本当は最初から知ってたんじゃん!写真を撮る理由、意味、楽しさ」
「平ちゃんってさ、きっと自分が思ってる以上に色々持ってて、考えてるんだろうなって時々思うよ」
「無くなんないからさ、そういうの。だからゆっくり考えたらいいよ」
無くならない。無いと思ってるものも、全部ではないかもしれない。「約束や宣言を履行出来ないまま終わるんじゃないか、無責任になるんじゃないか」と恐れていたことが、根拠は無くとも、0スタートじゃない可能性を証明されたことで、焦燥と不安が和らぐのでした。畳む
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆シナリオと別に、雲平のベクトル調整◆
以下、どろどろを含みます!!
見ないと困る情報は無いです。あくまで思考回路や比重の近況を捕捉的に公開している長文です。
メンタル影響しないぜ!と思えなかったらこのままページを閉じてください。
前提として、私は雲平の方向性について「負っている罪業や因果の呪いを抱えつつも、ひとりの人間として向けられる愛、善なる願い、祝福を交わせるようになれ」と思ってます。ソロシじゃないからね。
本人も、他の方々からの善意に無関心なわけではない。向けられる優しさ、差し出された手には感謝しているし、無視はしたくないと思っています。
雲平自身の大きな課題のひとつは【自分を許さない】に基づく制約や呪いに縛られ、しかし安易に外す事が出来ないジレンマでしょうか。
例えば今に始まったことじゃないけど、「必要(仕事)だからやる」「蓋を外すな、説明つかないことをするな」が自らに課している行動原理です。
自身に対し「理由が成立しない行動を許せない」のは、すべての始まりである【感情で夫婦を殺した】ことのトラウマに由来するものなので、周囲からしたら「気楽にやれよまどろっこしい!」案件でも、本人にとっては自死を検討するほど重大な一線となる。
以上を踏まえての近況、表に出さないようにしてるつもりのどろどろ内情の一部について。
①「消去法で生きている」けど、存在消滅を望むことは無くなった
良いのか悪いのかってとこですけどね!! あと言い方すごく周囲に失礼。ごめん。途中経過だからとなんとか大目に見て欲しい。少なくとも、今の世界を生きるしかないと諦めて、少しでもマシになるように動くことに目が向いています。→よって願いが叶うってなったときの心配が無くなった。
本編以後「存在自体が"過ち"だ」「償いなど無い。【代役の無い、自分の存在消滅】で正す他無い。なのに手段が無い」「矛盾したまま生きながらマシな方を選ぶしかない」という理屈で模索していました。手段さえあれば仲間に無断で消滅を選ぶまであったんです。
けれど、どうやっても誰かが犠牲になると気付いてしまって……。
本編で祝さんが言った通り、雲平が悲願を叶えたところでヨスガは確実に詞さんをアガチにするために殺す。祝さんは天涯孤独のまま仇探しするし、ヨスガの暇潰しの玩具にされて死ぬ未来しか見えない。
ならばヨスガが消えれば良いのか? 雲平は立場上望めない。蟲毒消滅ボタン渡されても、私情挟んでないと言い切れないから押せない。「感情で他人の死や消滅を望んで良いお偉ーい人間様なんざいねぇんだよクソが! 自分や身内消されて文句無ぇ奴だけほざいてろ」(by蓋外れ雲平)
加えて“実行犯ではない”ヨスガを私怨で消したら、実行犯でなくても存在否定に値する罪の対象になり得ると認めることになる。そうなれば、自分たちに仇なす者が現れた時、もしくは人間社会に晒された時、「お前も罪人だから何されても文句言えねえよな」と殺し屋の周辺作業をしている祝さんに飛び火しても異を唱える資格が無い。
雲平にしてみれば、ルート構造的に「祝を人質にとられた」って感覚なので世界構造への怨みは深く……いや、そもそも奉弥自身がやり場のない怒りと憎しみを世界の仕組みに抱いてるんだよな。ここらは追々説明あった方が良いのか、流石に喧しいか?
(ちなみにメタ的な話、万が一ヨスガが存在しなかった場合は、杏仁さんもユキちゃん(14番)も存在しなくなるし、閻魔さんも魔女狩りで死ぬはずなので杏仁さんの素体になったコインロッカーベイビーも高確率で死ぬ。生存者は一番多いけどね。谷崎家も詞さんも荒城家(風香ちゃん込み)も生存して、御籤ちゃんも家族と生活出来る。が、少数の犠牲の上に知らんぷりしてのうのうと存続してる世界なんてメタであれ雲平には許せない。どうあがいても絶望。そりゃ雲平も「もういい。疲れた」ってなるのよ)
②生きる上で"幸せ"をどう扱うか
生きるしかないなら必要なこと、少しでもマシな方を選ぶ。そう考えた時に必ず直面するのが「悪意によらず、純粋に誰かから自分が幸せであること、繋がりの中に生きることを願われている」という現実。それを無視できる雲平じゃない。愛や優しさ、善性には、誠意をもって応えたいから。
今回の花笑みで、繋がりの中にあることを望まれることを素直に受け取れたのもあり、「許せないのは許せないまま、"あび"たちに願われ望まれていることにはなるべくそのままで受け止められるかもしれない」と思えました。毎度は難しいけど、少しずつ、掌を満開にできるようにグーパー練習しよう。
そんな雲平も、これまで向けられている願いに耳を塞ぐばかりじゃなかった。例えば夜間学校に行きたいと祝さんに切り出したのは花笑みより前です。しかし、切り出すまでにはかなり時間と自問自答を要しました。そんなことばかりです。
一例として、生きるのも幸せも許せない彼が「学校に行きたい」と切り出した経緯はと言うと、
メタ的には必要だから夜間学校を志したわけではない、これがとびきり重要で、他人の思惑を受けることなく、自分の人生の通過点を自分の意思だけで選択する、人間として当たり前な経験を得ないと、二度と人間としての幸せを得る最初で最後のチャンスを永遠に失うことになる。本人はそこまで明文化しないけど、順序を違えた途端何かが不可逆な潰え方をする予感はあるので、履き違えないように意識してます。
実際、夜間学校通うって決めてからは、選択して実行出来てること自体を実績として縋ってるし。
〇〇伺い書作成して、課内決裁(自分)、役員決裁(祝さん及び"あび")までもらってからようやく〇〇行為書を作成、申請! みたいなことが日夜起きているんですね。
グダグダうじうじしてるように見えてそうで私は気掛かりなんだけど、底なし沼に足が沈み切る前に一歩進ませようとはしているのです、この機会に言い訳させてくれ!!!!!
③祝さんの言う“奉弥を裏社会に引き戻した責任”
本編の通り、雲平は祝さんが抱く責任の念について「どの道こうなった」と庇いたい気持ちがある。
だけど本編後幾つか継続もしてた中で、「それは、僕が嫌なことだな」って思い当たって。罪でも責任でも、抱えてきたものを後から庇われたり取り上げられるのは、過程にあった痛みを無駄なことだと軽んじるみたいじゃないか?
「僕の仕事のせいで祝や錦玉、荒城父子が罪を負うている。罪も痛みも僕に流せば良いのに。人間社会様なら許す(手を緩める)だろうに」と思うけど、彼らはそんなことしないとも思う。だったら、呪詛の掃溜めとして待つんじゃなくて、自分が発端で彼らが選択決定して抱えたものをどう見るかに目線をシフトさせるべきではないか?
そんなこんなで、まずは正面から明かしてくれた祝さんが感じてる責任に対して、どのように受け止め向き合うか考える時が来てるのかもしれませんね。
良い変化として、継続の中で「『どうあっても生きてしまえる』のが身勝手100%なのではなく、“生き残る"本能が生物として自分にも備わっている結果だった」と幾分か呵責が和らぐ余地が生じました。そういうの増やして、生きるコンディションを整えたいですね。見えるもの、増やすためにも。
メモ用紙
“友達”という不安定なのに大事な関係性を理解出来ず、調べるほど違和感を増していた。
“友達”について、無意識に『日向の人間の繋がり方』に区分してたことを自覚してからチトセくんの答えを聞けたのは良かった。
◆関係の区分の定義付け
“仲間”=同じ目的をもって取り組み達成しようとする繋がり
“友達”=目的に依らず、一緒に楽しいことをする繋がり
“友達・改”=一般の“友達”に納まらない“あび”独自の繋がり。“仲間”と“友達”の掛け持ち状態を示すのにも使える
※関係に名前は必須ではないらしい
→そう言ってもらったものの、雲平が説明がつかないことに不安を覚えてしまうため、“友達・改”を適用した
ただし“仲間”も“友達”も重複して良いものである
(※)償い、幸せ
大前提:KP・PL及びPC・NPCたちからの"償い""幸せ"といったワードは雲平の背景を理解した上でのものなので別枠だと思ってください!!
配慮してほしい、って目的で書き添えてるんじゃなくて、そういうシーンがあるとRPに時間かかったり、本心と相反した言動をして意図せぬ誤解、傷つけを招くこと危惧しているので、事前弁明です。
雲平が自分自身を許せないことも一因ですが、「償えるわけもないのに償いを求められること、償いを理由に人間社会に搾取されること」「(道徳の授業的な意味での)人は幸せになるために生まれて来た、幸せになって良いと言った無責任な幸福論」をものすごく憎んでて、それだけに特定のワードに対して処理が大きくなります。
奉弥としても雲平としても、自分が罪業の行き止まりであることを認識し、呪詛の掃溜りになるのを受け入れているわけですが、その根幹は【自分の幸せも未来も何もかもを奪った犯人が自分である=誰も埋め合わせしないし復讐相手は自分自身】ってどん詰まりにある現実なんです。
他の人に憎まれ呪われ侮蔑され死んでも貶められることは仕方ないこと、覚悟していることとは言え、「だからって自分自身を許してない僕からも僕を殺す権利を奪ってくれるな」とすら過ることがある。HO秋として言い方すごい身勝手なんですけど、「被害者として、加害者として、その両方に挟まれてる自分の3種の感情が壺の中でぐちゃぐちゃに混ざって腐敗して可燃ガス発生してるから、着火したら爆発しそう」って表現がしっくりくる。マジで地雷原パンジャンドラムになっててすまない自陣。
故に、脳内面談で見た限り、以下のようなシチュがあると時間がかかったり暴走する可能性があります……。
・自分自身のクローンと対峙する(大祓の比じゃないくらい痛めつけて殺したいし蓋がぶっ飛んで感情も呪詛も爆発しそう)
・宗教家などの説法で"幸福"を説かれたり"罪と罰"を語られる(こっそり出てトイレで吐くし暴力衝動衝動と戦うハメになる)
・テレビニュースでコメンテーターたちが一方的に誰かを糾弾している/悲劇や苦悩を消費するような内容を逃げ場無く見せられる(ひたすら自分に蓋する圧を強めて耐えるし表に出さないように努めるが、予後が極めて悪そう)
畳む
#四季送り #思考整理
花笑みを踏まえて脳内整理。雲平主体のとこは雲平の呼び方になってます。
まだ整理し切れてないし一部雲平の感情に当てられててどろどろしてます。
◆シナリオ開始時の雲平の目標◆
①純粋な関心として、チトセが何を撮るのかを見たい
②自分が約束、宣言してきたことを考えるのに必要な"幸せ"を、写真からアプローチしてとらえたい。チトセを見て手掛かりが欲しい
③訊けそうなら"友達・改"の定義を教えてもらいたい
裏背景に絡むんだけど、特に②の"幸せ"が厄介。
本編を経て、雲平にとっての幸せは『日向の夢』→『窓向こうの日向に“あび”が続くのを見ていること』に変化。加えて、自分に"幸せ"を求められることに(願われた場合は、願われてる自分自身に)強烈な嫌悪感を抱く。
※事情背景知ってる身内からのは別枠だし、そもそもこれ自分(受け手側)の問題。
他要因たくさんあるのを割愛するくらいには、そもそも「自分を通して"しあわせ"を考えようとする」ことが出来る状態じゃない。肝心の本人は無自覚。それでも「無駄な行いだろうが、考えるくらいは出来る以上、こじつけでも良いからかたちにしなければ」ってことだけは常に頭の中にこびりついている。
それに自分も相手もいつまで猶予があるかわからない。「時間を無駄に出来ない、何も出来なくても何かしないと」が強いのが今も続いてる。心の麻酔として機能している面もありますが。
そんなある日、偶然今回のアーケードの話を知ったってのが裏背景です。
「チトセなら」と真っ先に思い浮かべて声を掛けたあたり、「"幸せ"を知ってる人 かつ 願える人」って認識してるんだろうな。
◆進展したこと◆
目標の①は確定で達成するとして、②③も大きく進展したかなと思います。
自分の"幸せ"に対しても、嫌悪感や憎悪はそのままに、"宝物"という形で『手放したくないもの』に気付けたので……まさかここで繋がるとは完全に予想外だったな……。
話を戻して、進展したことを整理すると。
①"友達・改"を体感的にも認識できた
雲平:「(僕が含まれることの意義と成果を問い続けていたの、的外れだったらしい)」
と帰宅後ミッフィー面するくらいにはぽんこつしてた雲平です。実際、これまで「仲間」は言えても「友達」とは発言するのを避けていました。
結成時だって無責任に頷いたわけじゃない。この際暴露するとエンディング時点で雲平は「チトセたち帰って来た。錦玉ももうひとりじゃない。やっとスタートラインに送れた」って脱力しかけてたように"仲間"として居座ってる現状の節目になっておかしくないって気持ちでいたんです。それで静かにみんなの様子を眺めてた。なのに、節目どころか"友達"という繋がりに招かれて、そのときの困惑と言ったら!
だから、あの時の「面白い」って、皮肉なんです。自分自身への盛大な皮肉。
一方で、「"友達"が"仲間"と同じようなものなら、"友達"としての意義を見出し、果たせるかもしれない。どんなに「滑稽だ身の程弁えてんのか奴らの仇が友情ごっこかよ」と頭の中に嘲笑われても、信じようとしてくれる"仲間"に応えたいと顔を上げるのは、間違いじゃないはずだーーこの時点で意気込みどころを誤ってたんでしょうね。
事実、何も出来なくても何かしようと約束・宣言したこと含めて探し回っている間に、"仲間"と"友達"は違うって感覚が強くなって、今回に至ってますから。
結論として、あんなに悩み続けていた"友達"に意義も成果も必要なくて、ただ一緒に楽しい・嬉しいなどを共有することを大事に出来れば良かった。それは既に雲平が"あび"の人たちに抱いていることで、とっくに"友達・改"だった。
本人は「そんなことで良かったの!? ずっとあったことなのに!?」とショックなのか安堵なのかわかんない衝撃を受けてましたけどね。良かった。
二次効果として、"友達・改"を認識したことで、素直に受け取れる範囲が広がりました。相手が自分に向ける感情をイメージできたからです。
普段自分が「良かったと思えることの理由になっている」的なことを言われても、自分じゃ誰かの喜びになり得る価値を提供できているとは思えない。釣り合わないから、どう受け取れば良いかわからないんです。
だけど今回は「"友達・改"のチトセと一緒に来れて嬉しかった、楽しかった」がある。雲平がチトセくんを"友達"と深く認識出来たから、チトセくんが「一緒に来れて嬉しかった、楽しかったなら猶更」を体感的に理解出来たのでした。雲平のやつ、自分から記念写真を思いつくくらい、心の底からの嬉しいを感じてましたよ。
今後は、自分に向けられるやわらかな感情に対して素直に受け止めやすくなるんじゃないかな。「良いの。本当に?」なんてワンシンキングを挟む率が減る。
②既に手にしているもの
とっくに手にしていたもの。ひとつは①ですが、二つ目思いがけず出て来たのが"宝物"でした。
小ネタ設定。雲平のスマホの中に残ってる一番古い写真は、居眠り祝さんの写真。
脳内面談メモを引用すると、以下の通り。
身元バレを防ぐために定期的にスマホデータは自室に隠してる記憶媒体に移して保存しているし、連絡帳もカモフラージュしてある
夜間学校で「何も無いのも不自然」と感じてからはダミーかつ普段の行動圏内や交友バレ防げる範囲のデータは入ってる
そういうのだからこそ、一番古い写真データかつ鍵付きの、祝さんの居眠りの寝顔写真の意味合いが重い
リスクを差し置いてでも手元に留めたい"宝物"が、祝さんの平和な寝顔なんですよ。
『写真に撮って残そうとするのは"しあわせ"のとき』と仮定したのは他ならぬ雲平です。
そしてこの"宝物"は、祝さんに真名を渡した頃の子どもが撮った写真です。
祝さんに人間に戻してもらう中、初めて自然な想いで撮りたくて撮った写真を、ずぅっと手元に残して大事にしている。その事実を思い出したなら、無視できることじゃない。幾つかの認識や制限が覆る。「僕にとっての幸せがあってはいけない」とか、ずっと手元にあんじゃん!ってなる。
そこに続いたチトセくんの発言がしみる。
「平ちゃん本当は最初から知ってたんじゃん!写真を撮る理由、意味、楽しさ」
「平ちゃんってさ、きっと自分が思ってる以上に色々持ってて、考えてるんだろうなって時々思うよ」
「無くなんないからさ、そういうの。だからゆっくり考えたらいいよ」
無くならない。無いと思ってるものも、全部ではないかもしれない。「約束や宣言を履行出来ないまま終わるんじゃないか、無責任になるんじゃないか」と恐れていたことが、根拠は無くとも、0スタートじゃない可能性を証明されたことで、焦燥と不安が和らぐのでした。畳む
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
◆シナリオと別に、雲平のベクトル調整◆
以下、どろどろを含みます!!
見ないと困る情報は無いです。あくまで思考回路や比重の近況を捕捉的に公開している長文です。
メンタル影響しないぜ!と思えなかったらこのままページを閉じてください。
前提として、私は雲平の方向性について「負っている罪業や因果の呪いを抱えつつも、ひとりの人間として向けられる愛、善なる願い、祝福を交わせるようになれ」と思ってます。ソロシじゃないからね。
本人も、他の方々からの善意に無関心なわけではない。向けられる優しさ、差し出された手には感謝しているし、無視はしたくないと思っています。
雲平自身の大きな課題のひとつは【自分を許さない】に基づく制約や呪いに縛られ、しかし安易に外す事が出来ないジレンマでしょうか。
例えば今に始まったことじゃないけど、「必要(仕事)だからやる」「蓋を外すな、説明つかないことをするな」が自らに課している行動原理です。
自身に対し「理由が成立しない行動を許せない」のは、すべての始まりである【感情で夫婦を殺した】ことのトラウマに由来するものなので、周囲からしたら「気楽にやれよまどろっこしい!」案件でも、本人にとっては自死を検討するほど重大な一線となる。
以上を踏まえての近況、表に出さないようにしてるつもりのどろどろ内情の一部について。
①「消去法で生きている」けど、存在消滅を望むことは無くなった
良いのか悪いのかってとこですけどね!! あと言い方すごく周囲に失礼。ごめん。途中経過だからとなんとか大目に見て欲しい。少なくとも、今の世界を生きるしかないと諦めて、少しでもマシになるように動くことに目が向いています。→よって願いが叶うってなったときの心配が無くなった。
本編以後「存在自体が"過ち"だ」「償いなど無い。【代役の無い、自分の存在消滅】で正す他無い。なのに手段が無い」「矛盾したまま生きながらマシな方を選ぶしかない」という理屈で模索していました。手段さえあれば仲間に無断で消滅を選ぶまであったんです。
けれど、どうやっても誰かが犠牲になると気付いてしまって……。
本編で祝さんが言った通り、雲平が悲願を叶えたところでヨスガは確実に詞さんをアガチにするために殺す。祝さんは天涯孤独のまま仇探しするし、ヨスガの暇潰しの玩具にされて死ぬ未来しか見えない。
ならばヨスガが消えれば良いのか? 雲平は立場上望めない。蟲毒消滅ボタン渡されても、私情挟んでないと言い切れないから押せない。「感情で他人の死や消滅を望んで良いお偉ーい人間様なんざいねぇんだよクソが! 自分や身内消されて文句無ぇ奴だけほざいてろ」(by蓋外れ雲平)
加えて“実行犯ではない”ヨスガを私怨で消したら、実行犯でなくても存在否定に値する罪の対象になり得ると認めることになる。そうなれば、自分たちに仇なす者が現れた時、もしくは人間社会に晒された時、「お前も罪人だから何されても文句言えねえよな」と殺し屋の周辺作業をしている祝さんに飛び火しても異を唱える資格が無い。
雲平にしてみれば、ルート構造的に「祝を人質にとられた」って感覚なので世界構造への怨みは深く……いや、そもそも奉弥自身がやり場のない怒りと憎しみを世界の仕組みに抱いてるんだよな。ここらは追々説明あった方が良いのか、流石に喧しいか?
(ちなみにメタ的な話、万が一ヨスガが存在しなかった場合は、杏仁さんもユキちゃん(14番)も存在しなくなるし、閻魔さんも魔女狩りで死ぬはずなので杏仁さんの素体になったコインロッカーベイビーも高確率で死ぬ。生存者は一番多いけどね。谷崎家も詞さんも荒城家(風香ちゃん込み)も生存して、御籤ちゃんも家族と生活出来る。が、少数の犠牲の上に知らんぷりしてのうのうと存続してる世界なんてメタであれ雲平には許せない。どうあがいても絶望。そりゃ雲平も「もういい。疲れた」ってなるのよ)
②生きる上で"幸せ"をどう扱うか
生きるしかないなら必要なこと、少しでもマシな方を選ぶ。そう考えた時に必ず直面するのが「悪意によらず、純粋に誰かから自分が幸せであること、繋がりの中に生きることを願われている」という現実。それを無視できる雲平じゃない。愛や優しさ、善性には、誠意をもって応えたいから。
今回の花笑みで、繋がりの中にあることを望まれることを素直に受け取れたのもあり、「許せないのは許せないまま、"あび"たちに願われ望まれていることにはなるべくそのままで受け止められるかもしれない」と思えました。毎度は難しいけど、少しずつ、掌を満開にできるようにグーパー練習しよう。
そんな雲平も、これまで向けられている願いに耳を塞ぐばかりじゃなかった。例えば夜間学校に行きたいと祝さんに切り出したのは花笑みより前です。しかし、切り出すまでにはかなり時間と自問自答を要しました。そんなことばかりです。
一例として、生きるのも幸せも許せない彼が「学校に行きたい」と切り出した経緯はと言うと、
1.僕についての祝の願い事には、僕がひとりの人間として思ったことをするのが必要?
必要性や、容認されることかを問う事なく選ぶこと?
2.自分が人間としてやりたいことだけを見つめ直したら、「学校に行きたい」という未練があった。しかし、目標も期待する成果物も持たない未練だけでは道理が通らない。
3.「散々他者から奪っておいてお前だけ」「今更人間じみた生き方しようなどと虫が良いにもほどがある」
vs
「道具に徹せば、望まない使われ方しても文句を言えない。今は錦玉が所有者でも、その次は不透明」「人間じゃないと約束・宣言の履行が永遠に進まない」
→結論、必要なことなら、人間の真似事でも良いからやるべきだ。それが幸せにあたることでも、例外的に容認されるはずだ。
4.自分本位、自己満足のためではないと示す理由付けが必要。
これは償いじゃない。僕の幸せのためでもない。"前の子"のやり残しがたまたま必要なことと噛み合っていただけ。祝さんに相談を切り出す最後の一押しは偶然の一致から。
間違っても私情を混ぜることの無いよう、祝さん、"あび"の面々の順に意見を求めた。
メタ的には必要だから夜間学校を志したわけではない、これがとびきり重要で、他人の思惑を受けることなく、自分の人生の通過点を自分の意思だけで選択する、人間として当たり前な経験を得ないと、二度と人間としての幸せを得る最初で最後のチャンスを永遠に失うことになる。本人はそこまで明文化しないけど、順序を違えた途端何かが不可逆な潰え方をする予感はあるので、履き違えないように意識してます。
実際、夜間学校通うって決めてからは、選択して実行出来てること自体を実績として縋ってるし。
〇〇伺い書作成して、課内決裁(自分)、役員決裁(祝さん及び"あび")までもらってからようやく〇〇行為書を作成、申請! みたいなことが日夜起きているんですね。
グダグダうじうじしてるように見えてそうで私は気掛かりなんだけど、底なし沼に足が沈み切る前に一歩進ませようとはしているのです、この機会に言い訳させてくれ!!!!!
③祝さんの言う“奉弥を裏社会に引き戻した責任”
本編の通り、雲平は祝さんが抱く責任の念について「どの道こうなった」と庇いたい気持ちがある。
だけど本編後幾つか継続もしてた中で、「それは、僕が嫌なことだな」って思い当たって。罪でも責任でも、抱えてきたものを後から庇われたり取り上げられるのは、過程にあった痛みを無駄なことだと軽んじるみたいじゃないか?
「僕の仕事のせいで祝や錦玉、荒城父子が罪を負うている。罪も痛みも僕に流せば良いのに。人間社会様なら許す(手を緩める)だろうに」と思うけど、彼らはそんなことしないとも思う。だったら、呪詛の掃溜めとして待つんじゃなくて、自分が発端で彼らが選択決定して抱えたものをどう見るかに目線をシフトさせるべきではないか?
そんなこんなで、まずは正面から明かしてくれた祝さんが感じてる責任に対して、どのように受け止め向き合うか考える時が来てるのかもしれませんね。
良い変化として、継続の中で「『どうあっても生きてしまえる』のが身勝手100%なのではなく、“生き残る"本能が生物として自分にも備わっている結果だった」と幾分か呵責が和らぐ余地が生じました。そういうの増やして、生きるコンディションを整えたいですね。見えるもの、増やすためにも。
メモ用紙
“友達”という不安定なのに大事な関係性を理解出来ず、調べるほど違和感を増していた。
“友達”について、無意識に『日向の人間の繋がり方』に区分してたことを自覚してからチトセくんの答えを聞けたのは良かった。
◆関係の区分の定義付け
“仲間”=同じ目的をもって取り組み達成しようとする繋がり
“友達”=目的に依らず、一緒に楽しいことをする繋がり
“友達・改”=一般の“友達”に納まらない“あび”独自の繋がり。“仲間”と“友達”の掛け持ち状態を示すのにも使える
※関係に名前は必須ではないらしい
→そう言ってもらったものの、雲平が説明がつかないことに不安を覚えてしまうため、“友達・改”を適用した
ただし“仲間”も“友達”も重複して良いものである
(※)償い、幸せ
大前提:KP・PL及びPC・NPCたちからの"償い""幸せ"といったワードは雲平の背景を理解した上でのものなので別枠だと思ってください!!
配慮してほしい、って目的で書き添えてるんじゃなくて、そういうシーンがあるとRPに時間かかったり、本心と相反した言動をして意図せぬ誤解、傷つけを招くこと危惧しているので、事前弁明です。
雲平が自分自身を許せないことも一因ですが、「償えるわけもないのに償いを求められること、償いを理由に人間社会に搾取されること」「(道徳の授業的な意味での)人は幸せになるために生まれて来た、幸せになって良いと言った無責任な幸福論」をものすごく憎んでて、それだけに特定のワードに対して処理が大きくなります。
奉弥としても雲平としても、自分が罪業の行き止まりであることを認識し、呪詛の掃溜りになるのを受け入れているわけですが、その根幹は【自分の幸せも未来も何もかもを奪った犯人が自分である=誰も埋め合わせしないし復讐相手は自分自身】ってどん詰まりにある現実なんです。
他の人に憎まれ呪われ侮蔑され死んでも貶められることは仕方ないこと、覚悟していることとは言え、「だからって自分自身を許してない僕からも僕を殺す権利を奪ってくれるな」とすら過ることがある。HO秋として言い方すごい身勝手なんですけど、「被害者として、加害者として、その両方に挟まれてる自分の3種の感情が壺の中でぐちゃぐちゃに混ざって腐敗して可燃ガス発生してるから、着火したら爆発しそう」って表現がしっくりくる。マジで地雷原パンジャンドラムになっててすまない自陣。
故に、脳内面談で見た限り、以下のようなシチュがあると時間がかかったり暴走する可能性があります……。
・自分自身のクローンと対峙する(大祓の比じゃないくらい痛めつけて殺したいし蓋がぶっ飛んで感情も呪詛も爆発しそう)
・宗教家などの説法で"幸福"を説かれたり"罪と罰"を語られる(こっそり出てトイレで吐くし暴力衝動衝動と戦うハメになる)
・テレビニュースでコメンテーターたちが一方的に誰かを糾弾している/悲劇や苦悩を消費するような内容を逃げ場無く見せられる(ひたすら自分に蓋する圧を強めて耐えるし表に出さないように努めるが、予後が極めて悪そう)
畳む
#四季送り #思考整理
四季送り げんみ❌
これは通過直後には考えていたように思うのだけど、雲平が殺される以外の死に方するなら、自己免疫疾患による合併症だろうなって。
自分自身を呪い、許さない。本編までは蓋して知覚しにくかった罪悪感も、今じゃ蓋がべこべこで馬鹿になってるからね。
傷の治りが悪いとか、そういうのは既に起きててもおかしくないなって。体調管理は常々努めているけど限界はあるし、そんなこんなで自分の免疫細胞が健全な細胞を攻撃するようになるとか。うん、ありそう。
ありそうだけど、祝さんひとりぼっちになるからならないでね。医療費も大変だし、合併症や投薬の影響によっては私生活に大きな支障があるからね!
さて、そんな雲平ですが、「僕には何も出来ないけれど、出来ないからって何もしないのはしたくない」「何も出来なくたって、何かしたい」が強いと感じる今日この頃。焦りとも言う。
先日のSSだって、錦玉さんの命令にこじつけをしてでも何かしたかったわけで。けど、大抵は命令の裏の気遣いに甘えるのかな……。
“何かをし続ける”、心の麻酔を兼ねているけれど、過剰にならないように無意識に模索、調整かけてるのだと思います。頑張ろう。畳む
#四季送り
これは通過直後には考えていたように思うのだけど、雲平が殺される以外の死に方するなら、自己免疫疾患による合併症だろうなって。
自分自身を呪い、許さない。本編までは蓋して知覚しにくかった罪悪感も、今じゃ蓋がべこべこで馬鹿になってるからね。
傷の治りが悪いとか、そういうのは既に起きててもおかしくないなって。体調管理は常々努めているけど限界はあるし、そんなこんなで自分の免疫細胞が健全な細胞を攻撃するようになるとか。うん、ありそう。
ありそうだけど、祝さんひとりぼっちになるからならないでね。医療費も大変だし、合併症や投薬の影響によっては私生活に大きな支障があるからね!
さて、そんな雲平ですが、「僕には何も出来ないけれど、出来ないからって何もしないのはしたくない」「何も出来なくたって、何かしたい」が強いと感じる今日この頃。焦りとも言う。
先日のSSだって、錦玉さんの命令にこじつけをしてでも何かしたかったわけで。けど、大抵は命令の裏の気遣いに甘えるのかな……。
“何かをし続ける”、心の麻酔を兼ねているけれど、過剰にならないように無意識に模索、調整かけてるのだと思います。頑張ろう。畳む
#四季送り
四季送り げんみ✖
昨晩寝付けなかったので考えていた話。
真夏の錦玉さんに差し入れしたいだけのSS。
※本当にこれで美味しく作れるかはわかりません! 試作したいけど無花果出回るのってリアルタイムまだまだ先でしてorz
◆
蝉の鳴き声が暑さを運ぶ昼下がり。
錦玉との入れ替わりで休憩に入ろうとバックヤードに向かえば、アイスバーを咥えて扇風機に当たる錦玉が居た。
バックヤードにも最低限の空調は入っているのだが、キンキンに冷えているわけじゃない。一見涼し気な光景をとっても、前髪が額に張り付いてたり、耳後ろからほつれて垂れている髪が細いひと房となっているのが昨今の猛暑っぷりを物語っている。夏の温度と一緒に光熱水費も上がってしまうの……あ、これが比例の関係か。何とかならないのだろうか。
「錦玉。休憩、延長?」
僕は構わない。そう訊ねてみたのだが、「いえ。これ食べたら行きます」と断られた。
「雲平さんも休憩は必要でしょう」
「問題無い。時間、有効活用。錦玉の休憩のが良い」
「夜、学校あるんですよね?」
「……ん」
そう言われてしまえば、反論が難しくなる。
夜間学校はとても疲れてしまう。帰宅して、なんとかシャワーして、ご飯も食べずにソファで寝てしまったこともあった。まだ慣れてないのかもね――なんて話をついこの間、皆と祝たちとで話題にされたばかりだったから、余計に言い返せない。
そういえば、帰宅後のご飯について『学校で夕食食べてるんですよね?』と錦玉に確認されたんだったな……。何故か呆れられているように感じて不思議に思っていたから、覚えている。
「昼寝くらい、今のうちにしておいては?」
「んー……」
反論を思い付けずに呻くうちに、いつの間にか、錦玉の手には丸裸の木の平棒だけが残っていた。立ち上がる際に前髪の隙間から覗いた目元は、暑さやられだけじゃない疲れ、或いは軽度の不調が見て取れる。
「体調、悪い?」
「そんなことは……ああ、もしかしたら軽い貧血はあるかもしれませんね」
「ひんけつ、……怪我した!?」
驚いて錦玉を見れば、手の動きでストップをかけられる。
「怪我じゃないです。気にしなくて良いことですよ」
「怪我じゃないけど、血が足りない? 血は大事、減りすぎ危険。無理しない」
「軽度ですし、本当に問題ありませんから。"雲平さんは休憩をしていてください"」
それじゃ、と半ば強引に話は終了させられて、錦玉はホールへ戻っていく。
閉まったドアを眺めて、僕は困っていた。
休憩しろ、と命令されても、休憩していられる状態――気分? じゃない。
「休憩、……体力回復。気力回復? 気分転換?」
いくつかの解釈と案を並べてみる。時間を無駄にせず、だけど休憩も満たせる方法。
「気分転換に、お腹を満たせて、体調も良くなるのを作る」
そうすれば休憩と時間の活用と良いことと、3点満たせるのではないだろうか。
思いついたなら、早速。
「旬の果物、身体に良い。無花果。あと、飲む点滴――」
あとは豆乳も。これらは女性の身体にも良いものだと、料理番組や朝のワイドショーのコーナーでも耳にはした。いそふらぼん、だっけ。柘榴の方が良かったかもしれないが、農園には無いので仕方ない。
裏庭に出て、農園近くの無花果を選ぶ。旬のもの、かつ、ほどよい大きさのものを収穫する。
バックヤードの調理台まで持って行って軽く洗うと、今度は冷蔵庫から豆乳と甘酒を拝借。
「(ぶっつけ本番。早速作ってみよう)」
調理器具も揃えて、いざ。
まずは収穫して洗った無花果の上部1/3あたりを水平に切り取る。ぱかっと外すのを真横から見れば、器のように見えるだろう。事実、断面にスプーンを立てて、中身をくりぬけば無花果の皮部分を器にした小鉢に見えてくるだろう。
くりぬいた果肉の一部は別にして、白味噌と練り混ぜる。ぷちぷちとした種の食感が少し残るだろうが、これがあとで食感の変化として機能すれば良い。残りは食べやすい大きさにダイスカットしておく。
無花果と白味噌は一度冷蔵庫に入れて冷やしておくとして、次は豆乳と甘酒だ。
小鍋に豆乳と甘酒を入れて火にかける。沸騰直前で火を止めたら、ふやかした粉ゼラチンを加えてよく溶かす。氷水を張ったボウルに鍋底を浸けて混ぜながら粗熱を取ったら、冷やした無花果の小鉢を冷蔵庫から取り出す。そっと小鉢の中に甘酒豆乳を注ぎ入れて、泡があれば竹串で潰して綺麗に均しておく。
そっと小鉢を冷蔵庫に入れて、固まった頃、小鉢と果肉と白味噌、全部取り出す。
固まった甘酒豆乳の上にダイスカットした無花果の果肉をのせ、白味噌をソースとしてかけてやる。
あとはお好みで細かく砕いたナッツ、ドライマンゴー、千切ったハーブをトッピングしても良いと思う。今回は休憩時間に納めたいから、希望者がいてもセルフサービスにさせてもらう。
良い感じに盛り付けできたら、最後に無花果のヘタを蓋に見立てて飾って、完成だ。
「……ん。口にあえば良い」
緊張する。祝のようにはお菓子作り上手に出来ないし。数は全員試食が出来るくらいには用意出来たのだが、ちゃんと皆の口にあうだろうか。特に錦玉。祝は喜んで食べてくれると自信があるのだが、錦玉の好み、全部はわからないから。もう少し大人っぽい味付けのが良かったりするだろうか。
そのあたりは、"出してからのお楽しみ"、かな。
――さて、その錦玉へもう一品何かを作るとしたら。お酒のおつまみなら自信がある。
「無花果と生ハム。クリームチーズ。あと、梨のスープデザート? クコの実乗せたのも良い?」
料理とは、その瞬間には心を満たすものだ。時間を経れば食べた者の身体を癒し作り上げていく。
食事中のお客さんの笑顔が好きだと言った祝の笑顔を、僕が作れたらどんなに嬉しいだろう。
錦玉が驚き食べてくれるとしたら、どんなポイントからだろう。
祝は、『お客さんが喜んでくれると、料理人冥利につきるよね』って言っていた。"あび"の日向の仕事、好きだって。
「(僕が作ったのも、錦玉たちの美味しいだったら良いな)」
ここまで考えたところで、スマホにセットしておいたアラームが鳴る。もう少しで休憩時間が終わる。
もう一品はまたの機会に。まずは、このデザートを届けるとしよう。
「休憩してきた。祝、錦玉。これ食べて」
◆
杏仁さんやチトセ君、子どもたちの分もあるよ! 外出中を想定して書いたから、店に戻って来たら冷蔵庫にあるよって声掛けようね。
◆
無花果の甘酒豆乳ムース
①粉ゼラチン5gに水大匙1を加えてふやかしておく
②形状にもよるが、無花果の上部1/3くらいで横に切る。スプーンで縁取りして中身をくり抜く
③くり抜いた無花果を食べやすく切ったら、少量を白味噌に加えてよく練り伸ばす。②の器部分、無花果、練り白味噌を冷蔵庫で冷やしておく
④豆乳200ml、甘酒200mlを合わせて加熱する。沸騰直前に火を止め、①を加えて溶かす
⑤冷やしておいた②の無花果の器に④を流し入れて、再び冷蔵庫で冷やし固める
⑥⑤が固まったら、③のカット無花果をムースの上にのせ、練り白味噌をかける。好みで微塵切りしたドライマンゴー、千切ったハーブを添えるなどして、無花果の蓋をのせたら完成
無花果 いくつか
豆乳 200ml
甘酒 200ml
粉ゼラチン 5g
水 大匙1
白味噌 適量畳む
#四季送り #SS
昨晩寝付けなかったので考えていた話。
真夏の錦玉さんに差し入れしたいだけのSS。
※本当にこれで美味しく作れるかはわかりません! 試作したいけど無花果出回るのってリアルタイムまだまだ先でしてorz
◆
蝉の鳴き声が暑さを運ぶ昼下がり。
錦玉との入れ替わりで休憩に入ろうとバックヤードに向かえば、アイスバーを咥えて扇風機に当たる錦玉が居た。
バックヤードにも最低限の空調は入っているのだが、キンキンに冷えているわけじゃない。一見涼し気な光景をとっても、前髪が額に張り付いてたり、耳後ろからほつれて垂れている髪が細いひと房となっているのが昨今の猛暑っぷりを物語っている。夏の温度と一緒に光熱水費も上がってしまうの……あ、これが比例の関係か。何とかならないのだろうか。
「錦玉。休憩、延長?」
僕は構わない。そう訊ねてみたのだが、「いえ。これ食べたら行きます」と断られた。
「雲平さんも休憩は必要でしょう」
「問題無い。時間、有効活用。錦玉の休憩のが良い」
「夜、学校あるんですよね?」
「……ん」
そう言われてしまえば、反論が難しくなる。
夜間学校はとても疲れてしまう。帰宅して、なんとかシャワーして、ご飯も食べずにソファで寝てしまったこともあった。まだ慣れてないのかもね――なんて話をついこの間、皆と祝たちとで話題にされたばかりだったから、余計に言い返せない。
そういえば、帰宅後のご飯について『学校で夕食食べてるんですよね?』と錦玉に確認されたんだったな……。何故か呆れられているように感じて不思議に思っていたから、覚えている。
「昼寝くらい、今のうちにしておいては?」
「んー……」
反論を思い付けずに呻くうちに、いつの間にか、錦玉の手には丸裸の木の平棒だけが残っていた。立ち上がる際に前髪の隙間から覗いた目元は、暑さやられだけじゃない疲れ、或いは軽度の不調が見て取れる。
「体調、悪い?」
「そんなことは……ああ、もしかしたら軽い貧血はあるかもしれませんね」
「ひんけつ、……怪我した!?」
驚いて錦玉を見れば、手の動きでストップをかけられる。
「怪我じゃないです。気にしなくて良いことですよ」
「怪我じゃないけど、血が足りない? 血は大事、減りすぎ危険。無理しない」
「軽度ですし、本当に問題ありませんから。"雲平さんは休憩をしていてください"」
それじゃ、と半ば強引に話は終了させられて、錦玉はホールへ戻っていく。
閉まったドアを眺めて、僕は困っていた。
休憩しろ、と命令されても、休憩していられる状態――気分? じゃない。
「休憩、……体力回復。気力回復? 気分転換?」
いくつかの解釈と案を並べてみる。時間を無駄にせず、だけど休憩も満たせる方法。
「気分転換に、お腹を満たせて、体調も良くなるのを作る」
そうすれば休憩と時間の活用と良いことと、3点満たせるのではないだろうか。
思いついたなら、早速。
「旬の果物、身体に良い。無花果。あと、飲む点滴――」
あとは豆乳も。これらは女性の身体にも良いものだと、料理番組や朝のワイドショーのコーナーでも耳にはした。いそふらぼん、だっけ。柘榴の方が良かったかもしれないが、農園には無いので仕方ない。
裏庭に出て、農園近くの無花果を選ぶ。旬のもの、かつ、ほどよい大きさのものを収穫する。
バックヤードの調理台まで持って行って軽く洗うと、今度は冷蔵庫から豆乳と甘酒を拝借。
「(ぶっつけ本番。早速作ってみよう)」
調理器具も揃えて、いざ。
まずは収穫して洗った無花果の上部1/3あたりを水平に切り取る。ぱかっと外すのを真横から見れば、器のように見えるだろう。事実、断面にスプーンを立てて、中身をくりぬけば無花果の皮部分を器にした小鉢に見えてくるだろう。
くりぬいた果肉の一部は別にして、白味噌と練り混ぜる。ぷちぷちとした種の食感が少し残るだろうが、これがあとで食感の変化として機能すれば良い。残りは食べやすい大きさにダイスカットしておく。
無花果と白味噌は一度冷蔵庫に入れて冷やしておくとして、次は豆乳と甘酒だ。
小鍋に豆乳と甘酒を入れて火にかける。沸騰直前で火を止めたら、ふやかした粉ゼラチンを加えてよく溶かす。氷水を張ったボウルに鍋底を浸けて混ぜながら粗熱を取ったら、冷やした無花果の小鉢を冷蔵庫から取り出す。そっと小鉢の中に甘酒豆乳を注ぎ入れて、泡があれば竹串で潰して綺麗に均しておく。
そっと小鉢を冷蔵庫に入れて、固まった頃、小鉢と果肉と白味噌、全部取り出す。
固まった甘酒豆乳の上にダイスカットした無花果の果肉をのせ、白味噌をソースとしてかけてやる。
あとはお好みで細かく砕いたナッツ、ドライマンゴー、千切ったハーブをトッピングしても良いと思う。今回は休憩時間に納めたいから、希望者がいてもセルフサービスにさせてもらう。
良い感じに盛り付けできたら、最後に無花果のヘタを蓋に見立てて飾って、完成だ。
「……ん。口にあえば良い」
緊張する。祝のようにはお菓子作り上手に出来ないし。数は全員試食が出来るくらいには用意出来たのだが、ちゃんと皆の口にあうだろうか。特に錦玉。祝は喜んで食べてくれると自信があるのだが、錦玉の好み、全部はわからないから。もう少し大人っぽい味付けのが良かったりするだろうか。
そのあたりは、"出してからのお楽しみ"、かな。
――さて、その錦玉へもう一品何かを作るとしたら。お酒のおつまみなら自信がある。
「無花果と生ハム。クリームチーズ。あと、梨のスープデザート? クコの実乗せたのも良い?」
料理とは、その瞬間には心を満たすものだ。時間を経れば食べた者の身体を癒し作り上げていく。
食事中のお客さんの笑顔が好きだと言った祝の笑顔を、僕が作れたらどんなに嬉しいだろう。
錦玉が驚き食べてくれるとしたら、どんなポイントからだろう。
祝は、『お客さんが喜んでくれると、料理人冥利につきるよね』って言っていた。"あび"の日向の仕事、好きだって。
「(僕が作ったのも、錦玉たちの美味しいだったら良いな)」
ここまで考えたところで、スマホにセットしておいたアラームが鳴る。もう少しで休憩時間が終わる。
もう一品はまたの機会に。まずは、このデザートを届けるとしよう。
「休憩してきた。祝、錦玉。これ食べて」
◆
杏仁さんやチトセ君、子どもたちの分もあるよ! 外出中を想定して書いたから、店に戻って来たら冷蔵庫にあるよって声掛けようね。
◆
無花果の甘酒豆乳ムース
①粉ゼラチン5gに水大匙1を加えてふやかしておく
②形状にもよるが、無花果の上部1/3くらいで横に切る。スプーンで縁取りして中身をくり抜く
③くり抜いた無花果を食べやすく切ったら、少量を白味噌に加えてよく練り伸ばす。②の器部分、無花果、練り白味噌を冷蔵庫で冷やしておく
④豆乳200ml、甘酒200mlを合わせて加熱する。沸騰直前に火を止め、①を加えて溶かす
⑤冷やしておいた②の無花果の器に④を流し入れて、再び冷蔵庫で冷やし固める
⑥⑤が固まったら、③のカット無花果をムースの上にのせ、練り白味噌をかける。好みで微塵切りしたドライマンゴー、千切ったハーブを添えるなどして、無花果の蓋をのせたら完成
無花果 いくつか
豆乳 200ml
甘酒 200ml
粉ゼラチン 5g
水 大匙1
白味噌 適量畳む
#四季送り #SS
【零〜刺青ノ聲〜】ネタだけど、これ柊じゃん……「8歳児の精神だけでも両親のもとに流してやれば」と思いついたの、贄もとい巫女が自身の柊を鏡に託して割って流す儀式じゃん……。
しかもこの流れで思い至ったの、脳内面談伏せで言ってた「“呪詛の掃溜め”で良い」の呪詛には“自分が齎した柊”だって含まれてるわけで、あの おま
最悪な追加、闇落ち呪怨死亡ルートとかになったら自ら破戒じみたこと望んだり まぁ無理だろうけ
アカン 虚の原動力たしか負の感情エネルギー おいこらヨスガ いや流石にここまでヨスガのせいにしたらあかんねんけど
そんな未来させん為の脳内面談だろうがーっそもそも棘獄に向かうのは今じゃねぇんだよ! それはそうと「8歳児の柊を流す」は有効かもしれない。
取り敢えず見えたのは、夫婦と話すなら、雲平/奉弥よりも“親を殺したところまでの8歳児”でスタートの方がずっと無難だなって感じでした。畳む
#四季送り