No.44

四季送り げんみ❌
うっわ……夢というには尺のない、たった一言だけの夢だったんだけどこれ雲平の悪夢まんま受信しただろ。
※悪夢の話なのでまたもやどろどろ話。
「なんで生きてしまったんだろう」
たったその一言なのに、どうしようもなく真っ暗で深くて冷たくて重い絶望と自嘲と諦観と虚無感が混じり合った感情の海で満たされてた。

 眠り浅いし、夢を見るのも、束の間なのもわかりみしかない。内容までまんま受信するのは「わかる〜!」ってなるのと別なのよ! お前の悪夢ガチの悪夢だぞ!?

 存在ごと消えてしまいたい願望は相変わらずだからな。「存在自体が過ちだ」って認識も、「なのに生きて償いを求められる矛盾」に拷問され続けてるのも。
 温もりを知ったり、手触りを知ったりもしているけど、それを知るほど痛みもあるわけで。見せないけど。見せたら駄目だろう、と。
 て言うか償いを求められるのが地雷になってきてる気がしなくもない。そうなるHO=宿命であろうと、その世界に生きる者たちからしたら、罪は罪で選択したのも秋だから、雲平も当然世界に現実に被害者たちに憎まれ続ける。
 雲平もわかってて仕事してるからね。忘れたことないんだよ。
 だからこそ償いなんて、自分にだけは適用出来なくて、許される以前に審議の対象にすらなれない。誰かに問答無用で仕立てられたんじゃなくて、始まりは自分の選択、恐慌状態でも親を殺してしまったこと、次に殺し屋になったことだから。そうするしかなかったとしても。

 だから「なんで生きてしまったんだろう」は、本来思うのもお門違い。自分の選択だろうがってなる。
 正しくはやっぱり「なんで存在してしまったんだろう」だし、これを言いやすく言い換えたなら「なんで生きてしまったんだろう」になる。

 生きていたくない。もう生まれたくない。
 祝さんの願いが無ければ、転生なんて願い下げだしあっちゃいけないし許されないことだから。
 殺しに来いよ世界。償いを求めるくらいなら。それとも償いも要らない? ふざけるな。僕を、僕が殺して奪ったすべてを使い捨てに当たり前の顔して存続するな。

 人間の世界、歴史なんてそんなものだけど。僕のその一部なんだと分かってるけど、ああ、だからこそ不愉快だ。



 今も昔も命に誠実に向き合ってるんだ、四季送りの通過前後に変化は無いんだよ。命を等価に見るように、死の瞬間も死後も苦しませずに済むように、感情を挟まないようにしたりとか。仕事に差をつけないようにさ。
 そこは親贔屓抜きにして私も評価してて認めてるんだ。
 ……たった一つ、親関連だけは12年前も塔でもイレギュラーしちまってるんだけどな。鈍になった原因。
 とにかく上のようなどろどろは、一生消える気配無いし痛みの無い幸せは存在しないと思う。
 それでも、ひとつくらい、自分の人生に関わる選択を他者の思惑に縛られず自分の意思で選び切れる、「誰もが一度は得ているはずの人間らしい生の一瞬」を抱かせることができれば。
 それさえあれば、奉弥としても雲平としても、人間社会に居場所がひとつ生じる気がするのです。畳む

#四季送り